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オレンジ色の世界

オレンジ色の世界

オレンジ色の世界

作家
カレン・ラッセル
松田青子
出版社
河出書房新社
発売日
2023-05-25
ISBN
9784309208794
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オレンジ色の世界 / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

「探鉱者」の亡霊たちのイメージはおどろおどろしさが抜け、陽気さが増したオーヴァールック・ホテルの幽霊達(by『シャイニング』)。とは言え、優しくともオビーらの言葉を信じない、自分達が彼女達に強制する事は当たり前に思う幽霊達の姿は醜悪だ。それは現実の特定の女性を(無意識でも)見下している男性の遣り口と同じだから。そして自分が助かりたいが為にクララを生贄にしたのではないかと怯えるオビーの姿も生きる為に同性を犠牲にしてしまう女性の生き方でもあった。クララが叫んだことは『不思議の国のアリス』のラストみたい。

2023/08/14

あたびー

短編集。生活の中に当たり前のように不思議が入り込んでいる、そんな話が多い。「探鉱者」山の上に素敵なゴージャスロッジがあってパーティーをするからと誘われた二人の少女。リフトを探し当てて登った先のロッジにいたのは…なんと古典的な怪談。「悪しき交配」駆け落ちして砂漠へやってきた二人。絶滅危惧種のジョシュアツリーの花粉が彼女の赤い血と混ざり合い、彼女の意識を支配し始める。

2023/09/03

星落秋風五丈原

彼女らしい壊れた世界ですね。「ボヴァリー夫人のグレイハウンド」主役はもちろんあの方ですよ。「探鉱者」ものがなしい。

2023/06/13

ズー

あまりに一行一行が緻密で軽く読むことができない。少しでも流し読みでもしようものなら、情報を取りこぼして、一気に話がわからなくなってしまう危うさ。読み始めたら息が抜けない感じ。わかりやすくてダントツで面白かったのは沼ガール。悪しき交配もよかったし、てか思い返せばどれもよかった。あとがきで、あー!なるほどそうゆうことね!とフェミニズム的解釈もでき、これは青子さんが翻訳するのにぴったりだし、作品にも影響受けてそうと思った。読み直すたび、新たな発見が出てきそうな分厚めの一冊。

2023/07/23

花林糖

図書館本。短編8話。『狼少女~』、『レモン畑~』、どちらも好みに合う合わないの落差が激しかったカレン・ラッセル。今回は合うかも?と期待しながら手に取りました。「炭鉱者」は好みで◎。他「オレンジ色の世界」も良かった。妙な気持ち悪さのある世界観が好みだけれど、合う合わないの落差はやはり激しかった。

2023/06/29

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