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さすらう者たち (河出文庫)

さすらう者たち (河出文庫)

さすらう者たち (河出文庫)

作家
イーユン・リー
Yiyun Li
篠森 ゆりこ
出版社
河出書房新社
発売日
2016-09-06
ISBN
9784309464329
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さすらう者たち (河出文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

イーユン・リーの長編小説です。短編小説集はいくつか読んできましたが長編は初めてです。中国の文化大革命後の話ですが、政治的な意図よりも市井の人々がどのような考え方を持っていたのかどのような生活をしていたのか、を克明に描いています。また人間というのは必ずしも単純な線引きはできないということがよくわかります。やはりこの作者の作品は非常に私にとっては印象深いものです。

2016/11/27

aika

大人も子供も愛する大切な人を、自分を守るために誰かを陥れていく。永遠に続く悲劇の連鎖にあっても、人は笑い泣き怒り、悲しみを湛えて生きていくしかない、生きていける。「反革命分子」として公衆の面前で処刑された女性の死を起点に、同心円状に広がる人々の人生。娘の名誉回復のために無力さから抜け出し目覚めていく母とそれが認められない父。立派な地位を捨て彼女と同じ道を辿る凱。体制の外にいる八十と妮妮。それでも童が、そこにいた小さな少年は物語の光でした。街を出たさすらう者たちの後ろ姿に、前途に、明かりが注がれますように。

2019/10/13

南雲吾朗

中華人民共和国の文化大革命後の話。とにかく重くて辛い物語。しかしページを繰る手が止まらない。 反革命分子として処刑される若い女性とその周囲を取り巻く人々の日常が描かれている。 ひどい生活環境の中、逞しく生き抜く人々。中華人民共和国民の力強さを感じる。しかし、あらゆる人々が最後まで救われない…。重く、つらい小説だが、それでも読んで良かったと思わせる本である。

2018/04/28

ぱなま(さなぎ)

文化大革命後の中国。あっというまに天地が逆転してしまう社会で、何が正しいのかも分からないまま、皆がただ、自分に見えたもの、手に触れることのできたものを信じている。結果的にその行動が何を引き起こしたとて、その引き金は邪悪さなどない一時の感情の揺れだったのかもしれないのだ。ほかの社会だったらもっと容易に幸せになれたのだろう。でも、もしもそうだったなら、出会わなかった彼らは彼らでなくなってしまう。恐ろしい世界の渦中にあっても、愛おしさで胸がきゅっと締めつけられるほどの結びつきが生まれることに、ただ泣きたくなる。

2018/04/22

M H

文化大革命後の中国を舞台にした群像劇。反革命分子として処刑される女性を縦糸に市井の人々のそれぞれに苦しい生活が描かれる。丁寧な人物描写や生活のディテールから醸し出される閉塞感が全編に充満していて苦しくなる。個としてものを考えて、行動することの難しさ、尊さも印象に残った。人によっては命を懸ける価値があるのだ。素晴らしい作品と思いつつ、価値観の違い(特に親子関係)から登場人物の言動への嫌悪感が強かったことも否定できない。自分の狭量さを突きつけられながらの読書だった。

2019/08/11

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