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榲桲に目鼻のつく話

榲桲に目鼻のつく話

榲桲に目鼻のつく話

作家
泉鏡花
中川学
出版社
河出書房新社
発売日
2019-03-20
ISBN
9784309921631
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ジャンル

榲桲に目鼻のつく話 / 感想・レビュー

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井月 奎(いづき けい)

鏡花の物語はひやりと冷えた石清水のように心に沁み、そのなかのわずかな余韻によって彼の作品は際立ち、そして形成すのです。このほの暗くて少し湿り気のある物語の余韻は乙女の血の味。人の情にからめとられた乙女の心は切り刻まれて血を滴らせています。鏡花はその娘の後生を弔うために鮮烈な清水にその血を混ぜて清らかな上澄みにて世に問います。「春を売る娘のこういう心は汚れていますでしょうか?」鏡花はそう私たちに問うています。女性の、いえ無垢な者の心への挽歌は目眩を覚えさせる美しさによって彩り、香り高くあるのです。

2019/06/08

yumiha

表紙絵も美しいけれども、どのページを開いても美しい。まず挿し絵だけを堪能する。「今日はこの家に居り侍りお方様たちおなぐさみ」の表札が不穏。ストーリーは泉鏡花らしく耽美的官能的。でも、美しい女性をいたぶることも、男性の物欲しげな唾も、全く共感できない。

2019/09/07

どんぐり

和モダン、和ポップですね。見てるだけで楽しく、懐かしく。京都は岡崎のとある本屋さんで手に取り、とても大切な今から30年前の大学生であった頃の時間が一気によみがえって。 ゆっくり大切に読ませていただきます、中川先輩。

2019/05/18

nightowl

旧仮名・旧漢字なのに目に優しく読み易い!大人たちが粘りつくように榲桲を舐めている部分が不気味。エロティックでねちねちした表現になりそうな所をカラフルで色鮮やかに仕上げているので、気持ち悪く感じるより画家の多才さに惚れ惚れする。限定発売された「龍潭譚」も是非とも欲しくなる。

2019/09/28

夢うつゝ

榲桲という字体と響きとの愛らしさを、真っ黄色な本それ自体が体現しているような素敵な装丁。中川学さんの和モダンなイラストは、泉鏡花の映像美溢れる文章に新しい味を付けていると思う。それは90%の美味しさとともに10%の邪道感を孕む。単純に場面を想像する手助けにもなるので、読解力のなさによるミスリードが防げる。しかしながら、文章より先に絵がくるのは好ましくない。 内容はえぐい。人間の穢らわしい本性のチラ見せが凄い。乾三少年の思い出話として背徳感を演出し、かつドリーミーな靄がかかっているので読んでお面白い。

2019/04/29

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