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社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学

社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学

社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学

作家
ジョナサン・ハイト
高橋洋
出版社
紀伊國屋書店
発売日
2014-04-24
ISBN
9784314011174
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社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学 / 感想・レビュー

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absinthe

オススメ本。保守とリベラル、分かれるのは何故か。脳の機能や人類の進化も交えて道徳について語る。道徳は6つの要素に分ける事が出来、味覚に似ている。保守は6つの道徳を平等に扱い、リベラルはそのうち3つを偏重する。著者は民主党支持者ではあるが、(共和党支持者でないと明言しているが)保守の理念にこそ大切な心理が隠れていると説く。無神論者だが、宗教は人類を救ってきたとその大切さを訴える。国家や共同体の解体は人類を暗い方向へ招くとまでいう。心理実験の結果、興味深い結論が示される。

2016/02/16

おさむ

「誰もがここでしばらく生きていかなければならないのだから、やってみよう」。保守とリベラルの対立が深刻になる中、道徳心理学の観点からその構造を分析し、処方箋を描く。5つの道徳的基盤で両者を分類する手法は目から鱗。ケアと公正を重視するリベラル。併せて忠誠、権威、神聖をも取り込む保守。保守の裾野の広さを実感します。対立の原因は「私たちの心は自集団に資する正義を志向するよう設計されているから」だそうです。うーむ、ちょっと難解ですね。

2017/07/06

くも

リベラルと保守の分かれ目は、意識による判断ばかりでは無かった。人間の心理学、特に道徳心理学と深いつながりがあって。人間は心理学的な6つの価値判断<ケア,公正,自由,忠誠,権威,神聖,>を重視する。リベラルは3つの価値判断により重きを置き、保守は6つ全部に同様に重きを置く。実はこれらの心理テストで政治的判断はほぼ推測できるという。結論のためのテストやその結果が図表も交えて示される。

2020/10/12

踊る猫

リベラルから保守寄りへと立場をシフトさせた体験を持つ著者が記した本。何故リベラルは敗北せざるを得ないのか、ドナルド・トランプ政権が誕生した今読んでも充分にアクチュアルで面白い。人間は必ずしも理性で動く動物ではなく直観で動く傾向があること、集団に奉仕することを選ぶ「ミツバチ」な側面があること、更には宗教を軽視するのが何故危険なのかまで多岐にわたる話題が詰まっている。ただ、著者が必ずしもリベラルに対して攻撃的であるわけではない。デリケートな論調と態度を崩さず、やんわりとリベラルを諌める姿勢からは学べる余地あり

2017/06/19

テツ

理性は感情に打ち負かされる。集団の方向性を選択する場合には特にそうなることが多い。個々の人間が行う「理性的な」判断というものは感情的で直感的な好悪に理由付けするためだけのものだという説明に納得。6つの要素から構成される道徳マトリックスのお話は自分は客観的且つ冷静に物事を判断すると自負するあなたにこそ読んで頂きたい。リベラルと保守の道徳的な基盤による対立など心に留めておきたい。自分の判断が理性的なものだなんて思っちゃいけないな。それは確実に感情により決定されている。

2017/03/09

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