あとを継ぐひと (光文社文庫 た 53-1)
あとを継ぐひと (光文社文庫 た 53-1) / 感想・レビュー
あすなろ
令和の時代の跡継ぎの話だなぁとどの短編を読んでも先ずは自称・昭和のサラリーマンは思ったのである。時が時なら、我々の世代は平成の跡継ぎだった。その我々が跡継ぎの事を考える時代となり、または中小企業やオーナー企業ならばその狭間にいる世代である。なんだかなぁ、と思い読了。あ、サラリーマンなんて書いている時点で僕は既に時代遅れなのかも。サラリーパーソンでしたっけ。一方で今の時代の跡継ぎや空気感を感じさせてくれる秀作短編集だとも思ったのである。
2023/11/12
matsu04
6篇の短篇集。「跡継ぎのいない理容店」の息子がいい人過ぎて泣けるし、「女社長の結婚」も心温まる。チョーク製造工場の「わが社のマニュアル」、酪農家の「親子三代」、老舗旅館の「若女将になりたい!」も何だかいい。「サラリーマンの父と娘」もホッコリする。いずれもちょっとホッコリさせられ過ぎのような気もする。
2023/11/29
ゆうすけ
ブックオフで偶然買ってみたけど当たりでした。著者の『甘いお菓子は食べません』はたまたま読んだ記憶があって(内容はもう忘れてしまったけど装丁がめちゃくちゃ印象的な本)、こういう本との出会いって良いですね。どれも日々真面目にコツコツ生きていくことの大切さというか、かけがえのなさを描いているけど個人的には唯一の書き下ろし「わが社のマニュアル」が良かった。法定雇用率が厳しくなりどの会社も障害者雇用に力を入れているけど、定着とその先にある活躍まで見据えている所は多くない。この短編を推薦図書にしてみてはどうだろうか。
2024/03/16
あきまこ
牧場が舞台の親子三代が特によかったです。この主人公は50代で、テレビ局に勤務し不倫も経験しているのですが、実父が亡くなったことで決断を迫られる田舎の牧場についてのあれこれが語られます。人はいろんな面や立場があり、どうにかしなきゃならない事態はやってくる。今回、牧場をどうするかで、息子としての立場、妻の配偶者としての立場、息子の男親としての立場、それぞれの迷いがたんたんと語られていて。これらの語りから不倫の不道徳感は一切伝わってこず、迷いに向き合っている真摯な姿から、不倫をする姿が想像できませんでした。
2023/11/14
チョコザイ
はじめての作家さん。どれも心温まる話で良かった。特に若女将の話が好き。ドラマ化されたら良いな。
2024/04/19
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