或るギリシア棺の謎 (光文社文庫 つ 12-17)
或るギリシア棺の謎 (光文社文庫 つ 12-17) / 感想・レビュー
geshi
謎にキャッチ―さが無く文章が所々引っかかるが、マイナス面を払拭するロジックは本格推理の芸術品。祖母の死は自殺か他殺か?4年前の事件の犯人は?脅迫状はどうやって置かれたのか?という謎の引きが弱く、一族内で互いに疑いを抱き一触即発の緊張感を持ちながらじわじわ進むストーリーはなかなか読み進めにくかった。しかしそれらを乗り越えた先で展開されるロジックの楼閣は美しく堅牢。犯人の操りの可能性を排除し、本物の手掛かりを元に築かれる推理にただただ酔いしれ、思いもよらぬ真相へと導かれる本格推理でしか味わえない愉悦。
2024/03/07
ち~
国名シリーズ②老女の病死に葬儀の直前に浮上した疑惑。それは自殺か?殺人か?四年前の事件の関連は?全過程がかなり閉塞的な状況で進行する地味な展開だが、細やかに提示されてきた謎や違和感を美希風により論理的に解かれるラストに引き込まれた。美希風の生真面目な推理はやっぱり良い。
2024/02/24
感想・レビューをもっと見る