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過去と未来の国々 ―中国と東欧― (光文社文庫)

過去と未来の国々 ―中国と東欧― (光文社文庫)

過去と未来の国々 ―中国と東欧― (光文社文庫)

作家
開高健
出版社
光文社
発売日
2007-11-08
ISBN
9784334743406
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過去と未来の国々 ―中国と東欧― (光文社文庫) / 感想・レビュー

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モリータ

ポーランドの部分は期待したほどの分量ではなかったが(こないだの解説とあまり変わらなかった)、中国のところは開高健の感じた疑問・葛藤が書かれていてよかった。文革以降についてもなんか言ってて欲しいが何かに書かれているだろうか。

2014/02/08

さっと

1960年の中国と東欧(ルーマニア、チェコ、ポーランド)のレポート。このあたりのエピソードはほかのエッセイでもたびたび言及されるのでようやく本山を読めて良かった。光文社はルポルタージュ選集としているけれど、文学のありようからその国を理解しようという開高のスタンスからすると旅行記の形をした文学論と言えなくもない。中国は当時の世相(安保闘争の反米姿勢で熱烈歓迎される)から文学よりも政治の話ばかりでしばしばメモをとる手がとまる、東欧ではお互いの国の文学作品が訳されておらず自然ロシア・英米の作家論に始終する。

2020/10/17

Tsunekazu Ito

開高健が初めて海外を訪れた歳のルポ。「1965年2月14日のベトナム」などその後の起点といえるかもしれません。著者の事物に対する姿勢やその日その日の喜怒哀楽を感じることができて開高ファンとして楽しませてもらいました。特に中国編は、あちこちを回りいろいろなものを見(せられ)て、歴史と広大さに圧倒されてうなだれる様子や、日米安保で混乱する日本と反米主義で狂熱する中国の日々の並走などが生き生きと描かれています。この本の「未来」も既に過去となっていますが、今の世界を開高健に語ってもらいたいものです。

2012/05/19

チダ(uy1)

文学代表団で大江健三郎氏等と中国へ行った際の、雑誌「世界」連載まとめ。例えば、1960年5月、広州での中国教授の弁。1過去のことは水に流したい。2ファシスト岸信介は米国帝国主義と結託した売国奴 3打倒米国帝国主義 5日本人民の抵抗運動に敬意 7人民感情は国境を超えて握手している。(P18)巻末文 葉氏の、一行は北京上海広州どこでも偉大な日本人民万歳と歓迎。安保闘争背景。など、当時の状況。後半の、東欧も含めた時代社会の変遷を経て、読後、巻頭文同様に、「ところで、日本は?・・・」と、思わされます。

2014/05/03

Hiroshi Matsui

1960年 中国、ルーマニア、チェコスロヴァキア、ポーランド(すべて共産圏)への招待旅行のルポルタージュ。これはちょうど国内が安保闘争の真っ只中での訪問。読んで最初に驚くのは、当時の中国の(政治的に演出された)世論は、「偉大日本人民万歳」であったことだ。これはどういう事かというと、基礎部分に「反米」があり、安保闘争により反米/離米の意思を示した日本人を好感し応援するものだった。現在の中国での反日感情の説明でよく聞かれる例が「中国共産党は反日/抗日をその出発点としているので、中国共産党がある限り、中国は反日

2008/04/04

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