三千枚の金貨 下 (光文社文庫 み 21-11)
三千枚の金貨 下 (光文社文庫 み 21-11) / 感想・レビュー
Shinji
芹沢由郎が亡くなってる以上、金貨を埋めた真意は分からない。現在の価格にすると2億3千万オーバー… 実際、闇金が追いかけるそれだけの怪しいお金を一般市民である光生達が表舞台に出せるのかって話だね。間宮三銃士と沙都が決めた20年は、彼らが手に入れた気持ちの安らぐあの場所が、ゆっくりゆっくり運んでくれるはず。ヒントを手に入れてから特定するまでが少し急ぎ足だったけど、話の閉じ方は納得出来ました。ミステリーと思わないほうが楽しめる作品ですね。
2016/03/26
オカメルナ
急転直下、物語が動きだし怒濤のごとく終盤へ・・・と言う感じでは全くなく終始、静かに話が進む。芹沢由郎という一人の生き様が徐々に明らかにされて行く事で三千枚の金貨のありかも見えてくる。結果、その金貨どうするのかという結末まで、大きな展開が用意されていたわけではなけれど、宮本さんの暖かい物語の進め具合を久しぶりに味わった。
2014/01/31
りょうこ
謎が明らかになるにつれて読むスピードが上がった。本筋とは関係ないが色々な薀蓄が沢山あって自分の引き出しが増えて色々とお得な感じ。最後はこおゆう感じなんですね!ある意味素敵な終わりかたでした!読んで良かった1冊!
2013/01/20
chikara
三千枚の金貨は何を象徴しているのか。久々の宮本氏の作品ですが、やはり人間ドラマとストーリーが面白いです。感動や涙はなかったけど、心に響く絶妙な言葉が堪能出来ました。
2013/02/28
とも
三千枚の金貨があろうとなかろうと、実はそれはどっちゃでも良くて、金貨の在処に目星を付け、掘り起こすまでに更に20年という期間を自ら設定し、待ち続ける過程に人としての醸成を期待する。うーん深いなぁと唸らせる。 人にはそれぞれの人生があり、生き方があり、考え方がある。人生に正解があるわけではなく、ただ各々が正しいと思う道を選択し生きるしかない。 伏線もなけりゃ、回収もない。大きな山場もないし、ハラハラドキドキもない。 でも、滋味に富んだ趣深さを宮本輝さんの著書からは感じる事が出来る。今回もそんな一冊でした。
2021/08/21
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