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恋情の果て

恋情の果て

恋情の果て

作家
北原亞以子
出版社
光文社
発売日
2014-05-16
ISBN
9784334929466
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恋情の果て / 感想・レビュー

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じいじ

江戸の女たちの狂おしい情熱の恋を描いた12の短篇集。切なさと哀愁漂う話なのに、明日への希望の灯が見える読み心地です。情景描写、人物描写に著者独自の個性を感じます。別れてわかる自身の幼さへの反省と後悔。夫婦の微妙なアヤ、我慢が丁寧に描かれた【寒椿】。房州から駆け落ちしてきた若い二人。バラバラの道へ。10年ぶりに再会する。ひたすら待ち続けた女。妻がいることを触れずに逢う男…【恋情の果て】。叶えられない不倫の恋。健気に待つ女と、出来た女房との葛藤。切ないのに心温まる【朧月夜】の3作が印象的。秀作の恋愛小説です。

2016/03/14

文庫フリーク@灯れ松明の火

昨年3月逝去された北原亜以子さん短編集。約40年前初出「退屈の虫」から始まり、7年前初出の「朧月夜」まで初出年代順に収録された13編。男女の想い・人の想いの描かれ方が、歳を重ねるごとに深みを増す作品群。表題作、そしてほっとさせる「三年目の菊」最後の「朧月夜」に至っては、おしのの恋情四年を静かに凌駕するおくらの想い。二人が「夫」と想う男の甲斐性の無さよ。【さだまさしさん/まほろば】より 遠い明日しか見えない僕と 足元のぬかるみを気に病む君と 結ぶ手と手の虚ろさに 黙り黙った別れ道 例えば君は待つと→  

2014/12/03

BlueBerry

一言で言うと渋い人情物の短編集。切なさ、やるせなさ、意地を張って引き返せない感じとか人のやさしさとかが上手に描かれていたと思います。

2014/06/24

dorebook

私好みとしては、この手の作品ではやはり、山本周五郎が断トツ。だからどうしても、各編の唐突に終わる感じの末尾文がしっくり来ず、ややもすると不完全燃焼で肩透かしになる部分を感じる。が、若くして駆け落ちし離れ離れになった男女が十年後に出逢うまでの「おせと」の人生に心うたれた表題作【恋情の果て】が印象に残った。待つだけの弱い女ではなく、自分の代わりに買われた男が何れ帰ってきた時の場を作ろうと遮二無二に働き、一端の女将となっていく姿は、長編でじっくりと読んでみたいと思った。

2017/01/16

カピバラ

時代小説×恋愛ものにハズレは少ないなあ。「雁の帰る日」「恋情のはて」がどちらも良かった。

2014/12/10

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