「イタコ」の誕生: マスメディアと宗教文化
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「イタコ」の誕生: マスメディアと宗教文化 / 感想・レビュー
HANA
イタコや恐山のイメージが、マスメディアを通じてどう変質していったかを論じた一冊。恐山とイタコ。不即不離の関係のように感じていたけど、その関係が意外と近年に出来たのが驚き。イタコが戦前、そして五十年代に「発見」されてから、ディスカバージャパン、オカルトブームを通じて転変していく様がまずは興味深い。またマスメディアからだけではなく、それを通じた現地の変遷というのは、大祭や観光を通じて双方向性というのが実に目新しく面白かった。自分が漠然と抱いていたイメージ、ほとんどがメディアによって植え付けられていたんだなあ。
2017/11/25
takao
博士論文+α
2022/05/10
れなち
恐山といえばイタコと言っても、意外とその歴史は浅いようです。むしろ伝統的なのは場としての恐山。ただしイタコブームを生み出したメディア批判にとどまらず、ブームが寺院や地域自治体、あるいはイタコの「お客様」など多角的な観点から研究を進めているのがおもしろかったです。恐山大祭や出張イタコの取材も読み応えがありました。
2022/02/12
onepei
イタコと恐山の結びつきが近年だったとは。
2017/06/05
K
(2017,387)イタコは恐山や川倉地蔵尊、百石寺等のお祭りに集まる。私も30年前、百石寺大祭に、はるばる先生と出かけて行ったが、忘れられない貴重な勉強になった。当時はイタコそのものの研究が主流だが、この本はそこも踏まえ、イタコを利用した地元、黙認する正統仏教側を軸に、マスコミが煽った現象についてまとめている。膨大な参考文献が貴重な資料となっている。2014年時点で恐山大祭に来るイタコは3人とある。この先ゼロになるか?恐山は初夏、夏の大祭、秋、と出かけたことがある。イタコなしでも地獄と極楽を堪能できる。
2021/01/27
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