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雨に消えた向日葵

雨に消えた向日葵

雨に消えた向日葵

作家
吉川英梨
出版社
幻冬舎
発売日
2019-09-19
ISBN
9784344035096
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「雨に消えた向日葵」のおすすめレビュー

消えた少女の行方は!? 警察と被害者家族の必死の捜索、そして浮かび上がる現代の闇とは――?

『雨に消えた向日葵』(吉川英梨/幻冬舎)

 テレビドラマ化もされた「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズをはじめ、「水上警察」シリーズ、「十三階の女」シリーズ、「警視庁53教場」シリーズなど、数々の人気警察小説を世に送り出してきた吉川英梨氏。その新刊『雨に消えた向日葵』(幻冬舎)の題材となったのは、“少女失踪”だ。

 姿を消したのは、埼玉県坂戸市の鶴舞ニュータウンに母、姉の3人で住む小学5年生の石岡葵。放課後、教室に残ってマンガを描いていた彼女は、ゲリラ豪雨のなかをひとりで帰宅。田んぼの一本道を傘をさして歩いている姿が、目撃されたのが最後となった。その日は暴風雨が吹き荒れ、近くの高麗川や道路脇の用水路は増水。事故の可能性も考えられるが、失踪の1カ月前には葵が見知らぬ男につきまとわれて写真を撮られるという事件も起きていた。さらに、葵の両親は離婚調停中。親権をめぐる争いが続いていて、葵は父親と2年も会っていない。そんな情緒が不安定になってもおかしくない家庭事情もあった。事故か、誘拐か、あるいは家出か? 捜査を開始した埼玉県警捜査一課の奈良健市警部補は、さま…

2019/11/23

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雨に消えた向日葵 / 感想・レビュー

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utinopoti27

土砂降りの雨の中、下校途中に忽然と姿を消した女児。奈良刑事をはじめとした埼玉県警による懸命の捜査が繰り広げられる。いったい誰が何のために、そして娘は無事なのか・・。本作を犯人捜しのミステリと思ってはいけない。なぜなら思わせぶりな伏線はほぼ回収されず、加害者の内面にすら踏み込むこともないからだ。また、そこには派手な立ち回りも、意外などんでん返しもなく、あるのは徹底したリアル。事件解決のためなら、地べたに這いつくばり、泥水をすすることも辞さない奈良の凄まじいまでの執念が読み手の胸を抉る。作者渾身の力作だ。

2020/04/07

ナイスネイチャ

図書館本。女子小学生誘拐事件を埼玉県舞台に繰り広げられる。結構細かな捜査内容で現実もこんな緻密で地道な作業とも言うべき捜査活動なのかなと。家族や周りの人達の描写が細かくて思わず唸りました。

2020/01/20

machi☺︎︎゛

小学5年生の葵が下校中いなくなる。失踪か誘拐か事故か事件か。何も分からないまま生死も分からないまま時だけが過ぎていく。その間の警察の必死の捜査や家族の奮闘などが長く続くから、余計に結末が気になる。特に家族の粘り強さが印象深く読み進めるのが辛かった。やっと最後の最後で解決に向かってホッとした。刑事の奈良さんの抱えていた問題もいい方向で解決して最後で救われた。でも自分より弱い者を相手に卑劣な事をする奴は本当に許せない!

2019/11/11

Yunemo

今まさに起こっている現実。事故か事件なのかも不明のままに時間ばかりが過ぎて。昨日11日に家族が写真公開、何とも言えずに、ただ祈るばかり。本作のようになってほしくありません。いろんな要素が散りばめられています。家族、夫婦、世間の眼、虚偽情報、詐欺、誹謗中傷、そして真相に迫るという凄まじいばかりの刑事の執念、人の持つ正の要素も、人の弱みにつけ込む負の要素も、この展開に焦燥感だけが募ってきて苦しめられます。この刑事のポジションって現実にあるんですか。事件解決よりも刑事自身が壊れてしまいそう、まるでジプシー刑事。

2019/10/02

ゆみねこ

豪雨の夕方、小5の美少女・石岡葵が一人で下校中に失踪した。誘拐か家出か?葵の行方を探す埼玉県警の奈良刑事。壊れかけていた石岡家の再生と執念の捜査、一気にラストまで読みきって大満足の1冊です。

2019/10/26

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