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中村元の仏教入門

中村元の仏教入門

中村元の仏教入門

作家
中村元
出版社
春秋社
発売日
2014-12-17
ISBN
9784393135815
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中村元の仏教入門 / 感想・レビュー

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takeapple

中村元が初期仏教(原始仏教)について書いた本は、ブッダの伝記を含めるとかなりあるけれど、これは東方学院での講義を文字に起こして、加筆修正したもの。内容は大体いつもの通りでわかりやすい。この本では、講義録という性格からか、所謂脱線というか余談もあるのが面白い、江戸時代初期の鈴木正三という人が書いた庶民向けの仏教の教えが凄いなあと思った。

2017/10/29

或るエクレア

どうも仏教は世界に広がる過程でバリエーションが増えすぎて、オリジナルがわかりにくい。悟りに至る道以外に大衆道徳や土着信仰が混ざっていてカオスだと思う人はいないだろうか。殊に日本では大乗なので更にわかりにくい。この本ではブッダの行った原始仏教を再現することに努めていて非常にとっつきやすい。写真なども多くインドに行ったことがない人でもすぐにイメージが作られて初心者に持って来いの一冊。

2016/05/16

もくもく

中村元 先生の著作は、これまでにも何冊か読んでいますが、本書は講演録ということでもあり、より平易な語り口や比喩・例示も交えて、原始仏教の誕生から拡がりを歴史的に解説し、インド哲学・東洋思想の発展もわかり易く語られています。取っ付きやすく理解しやすい、まさに「仏教入門」の一冊でありました。いや、本書ではいわゆる「日本仏教」(大乗仏教として伝来し、神道との混交も含めて独自の発展を示した、伝統的な「仏教」)についてはあまり語られていないから、「原始仏教入門」とした方が良いのかもしれないなあ。

2018/09/17

nizimasu

仏教学の大家であった中村先生の大学の講義をまとめたもの。中でも初期の上座と大乗になる以前の釈尊の教えとはどういうものであったのかというのをヴェーダや初期の仏教聖典などをあげながらしゃべっているので非常にわかりやすかったです。仏教の難しいのは日本だと大乗というかなり間口の広いしかも民衆の教化のために呪術やローカルの信仰を取り入れてきた経緯があるだけにその歴史的な変遷の部分を取り除いたエッセンスのようなものが垣間見えるのがよかった。さらには分裂した際の経緯なんかもわかるし仏教というのは宗教というも道徳に近いな

2015/11/01

roughfractus02

釈尊の賛美や自説の主張と他の批判を多く含む仏典群から、著者は時代を特定し、当時の他の教説と対照して釈尊の精神を「仏法」(人間の真理としての法)として取り出し、平易に今に伝える。形而上の議論を避けたその実践は生前に決定される「宿業」的宇宙観を退け、未来への行いが報いを生む業因説を採る。原因を苦行や快楽で解消する極端さを戒める(中道)のは、原因が一つでなく、多数が関係し合うからだ。が、この縁起論的宇宙は人間には苦の世界ゆえに、苦しみを減じて生きる実践(四諦八正道)が提起される。本書は東方学院での講義録である。

2021/04/13

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