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親鸞: 決定版

親鸞: 決定版

親鸞: 決定版

作家
吉本隆明
出版社
春秋社
発売日
2004-10-01
ISBN
9784393331378
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親鸞: 決定版 / 感想・レビュー

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Costa まさ

鎌倉時代という大昔の僧を思想家として捉え、時代の壁を越えて、その思想だけではなく人物像までもを丸裸にしようという試みの集大成だろうと思う。基本的には客観的な史実を基に語られるが、所々に著者自身の自問自答あるいは深遠な憶測と思われる個所も有り、とても興味深い。和讃についての論考などは著者の執念すら感じられる。ここまで一人の思想家に惚れ込み、調べ上げて考え抜ける事に畏怖すら感じた。凄まじい。

2018/04/08

amanon

これまで読んできた吉本の著作の中で一番とっつきにくかったというのが正直なところ。とにかくある程度仏教に通じていないと分からない人物名や専門用語が頻出しているのにもかかわらず、注釈が一切無いというのがちと不親切。今後版を改める際には詳細な注釈を付けて欲しい。それはともかくとして、親鸞という人間が当時の状況において、いかに仏教や世相に果敢に拘わったかということは理解できたように思う。特に印象的だったのは、息子が自分の思想に反する行動に出たというエピソード。先駆者というのは、常に苦悩を背負うものなんだな…

2013/05/25

新井徹

「おもえばいままで、最後の親鸞というかんがえに、ずいぶん魅せられてきたような気がする」。この書き出しが素晴らしい。〈知〉の最後の課題は、頂きを極めた後、そのまま寂かに〈非知〉に向かって着地すること。最後の親鸞は、この「そのまま」をやってのけたと吉本は言う。そこが法然と親鸞の違いだと。徹底的な自己相対化により自己欺瞞を避けるという方法。「意図」は現世のもつ最大の「悪」だが、この「意図」をすべて浄土の規模にあずけてしまうという発想。非僧非俗の境涯をたどった親鸞の生き様に驚嘆する。

2012/04/22

ひらぱー

吉本 隆明の親鸞考。 言葉(思考?)が難しくてついていけない部分もあるけど、 おおむね素直というか誠実というか、好感の持てる文章であった。 浄土真宗の寺を継ぐにあたっておれは、 大いなる自己欺瞞と対峙しなければいけないのだが、 なんか根本的に問題設定が違う気がしたりする。 その疑問をうまいこと解いてそうな人を見つけねば。

2009/09/23

i-miya

易行他力 『教行信証』 「深心」・・・深く信じる心 ふたつ (1)自分が罪深く生死にまよう凡夫で 昔から流転して脱出の手がかりがない、と信じる (2)阿弥陀仏の48願は世の人々を 救ってくれる 身を任せれば浄土にうまれることができる、と信じる 「横超」(おうちょう) はっきりとわかった 4. ≪自然≫の思想 浄土とはなにか 現世における心的な境位なのか 人々の≪信≫の問題 「涅槃教」 光明寺の善導和尚 「観経疎」 5. 「正定聚」の位置付け 弟子たち 摂取力

2008/10/10

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