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パラレル・フィクショナル

パラレル・フィクショナル

パラレル・フィクショナル

作家
西澤保彦
出版社
祥伝社
発売日
2022-03-10
ISBN
9784396636227
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パラレル・フィクショナル / 感想・レビュー

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buchipanda3

これはまさに西澤ミステリの味わい。特殊設定、酩酊のような混迷、ゾワっと感、そして推理談義みたいな掛け合いなど著者らしさを最後まで堪能できて嬉しい。巻頭に別荘見取り図があり、おっこれはと揚がるが、関係者相関図もあり、あっこれは面倒かもと用心。冒頭で演者が出まくり、誰が誰のと煙に巻かれる。あぁこの感覚が良い。その後、状況が整えられてからは謎とその先の行方が気になって読む手が止まらない。やや強引かもと思える点もあったが結末としては気にならないものだった。読後は人が積み重ねた虚構と現実に酔いが残るような心持ちに。

2022/03/21

aquamarine

叔母と甥の関係である私とモトくんは、シンクロする予知夢を見る。しかもそれは必ず人の死に関わるのだ。お披露目の会で惨劇が起こるという予知夢を見た二人は、予定と違う行動をとり危機を回避し、後日それぞれが見た予知夢のすり合わせをする。惨劇を起こした犯人は誰なのか、なぜそれが起きたのか、本番ではなぜ起きなかったのか…。最初は登場人物を整理するのが大変で何度も人物相関図に戻っていたが、状況がわかり始める後半は一気読み。おおっと思える部分もあるし、すんなりとは終わらないラストも好み。例の苦手分野はないのでご安心を。

2022/07/03

ままこ

予知夢によって知った惨劇は回避されるのか…。絡み合う人物関係も複雑でその展開もどう変わっていくのか全く予測不能。特殊設定と深層心理を巧みに操ってラストは長編だけどショートショートを読んだ時の感覚に陥る。意外な結末だった。装丁のパイナップルスイカも意味深。

2022/05/16

うののささら

見る夢は現実の予見で人の生死がかかわってくる特殊能力をもつ主人公。確定している未来の事象を事前に幻視する。どうあがいても運命は変えられないが起こるはずなのに起こらなかった出来事。予知夢の中で見た予知夢。夢の夢がまた夢の入れ子構造でわけがわからなくなる。入れ子は三重構造のマトリョーシカ。人の人生は偶然の連鎖から成り立つ。おばさんと予知夢がシンクロしたり事象の前後がすっ飛ばされたり似て非なる予知夢。面白かったです。

2022/05/15

さっこ

予知夢を見ることができる叔母と甥。予知夢の中で一家大惨殺劇が起きる。殺人を回避するべく叔母と甥の答え合わせが始まる。最初は登場人物も多く伯父や従妹など入り乱れて読みづらかった。相関関係がはっきりしだしてから、後半の謎解きは面白かった。最近の西澤さんの作品にありがちな描写等が無くて良かった。西澤さんのロジックを久々に堪能しました。

2022/04/19

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