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乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション)

乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション)

乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション)

作家
川端康成
中原淳一
出版社
実業之日本社
発売日
2011-10-05
ISBN
9784408550534
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乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション) / 感想・レビュー

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mocha

『彼方の友へ』のモデルとなった『少女の友』の連載小説。中原淳一の挿絵も多数掲載されている。横浜のミッションスクウルを舞台に織りなされる〈エス〉の世界。セレブ女学生の上品な会話やおしゃれなファッションに当時の少女たちは胸ときめかせたんだろうな。川端康成&中原淳一の造り上げた少女たちは、何十年たっても色褪せず美しい。

2018/06/03

優希

川端康成の少女小説。少女同士の愛、憧れ、ときめきが美しかったです。横浜のミッションスクールのエスの関係が書かれていました。新入生の三千子、おしとやかで儚げな洋子、勝ち気な克子の愛情と葛藤が四季の移ろいとともに語られていきます。三千子は洋子とエスの関係になりながらも克子に惹かれるのが揺れる乙女心というものでしょう。女の子同士のフワフワした甘さみたいなものを感じました。少女たちの移ろう心が愛らしかったです。ほのかに百合が香る雰囲気が砂糖菓子のようでした。少女小説に中原淳一の挿絵は乙女の夢だったでしょう。

2015/09/28

ミロリ

美しい。少女達だけの清らかで甘美な世界。同性愛と異なる「エス」が私にはヒットした。繊細で純粋な少女の恋心にずっと浸っていたい気分。今も美しいものはあるけれど、戦前はもっと美しいものが溢れていたように思える。昭和初期を歩いてみたい。

2014/11/18

あんこ

少女特有の甘美な世界が清らかに描かれていました。恋とはまたちがった、なんとも言えない空気感がとてもよく表現されていて、少女たちが住む港や待ち合わせ場所の少し朽ちた赤屋敷の茂み、夏を過ごす西洋じみた避暑地に思いを馳せながら読みました。中原淳一の挿絵も美しく、読み終わるのが惜しいくらいでした。このような少女文学を川端康成が描いたのかと驚きましたが、原案が中里恒子だということで納得。きっとこの甘美さは、一度外に出てしまったら次第に薄れていくものかもしれないと思いつつ、彼女たちの心の交わりが永遠に続けばいいと願い

2014/03/30

小夜風

【所蔵】川端康成が描く少女小説ってどんなだろうと恐る恐る手に取りました。百合小説というものを初めて読みましたが、同性愛とも親友とも違う、上級生と下級生が「姉妹」の契りを結ぶ「エス」という関係とのこと。少女たちの美しさや儚さ、脆さ、強さ…既に「雪国」を書いていた川端康成がこんな清らかな物語を書けたことが凄いと思いました。男女交際が禁じられ、疑似恋愛でときめくしかないような中で、この娘たちは恋も知らないままに親の言いなりにお嫁に行ったのかなと、切なくなりました。とても可愛らしく、美しい青春小説だと思いました。

2019/06/04

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