ガリ版ものがたり
ガリ版ものがたり / 感想・レビュー
へくとぱすかる
既読の『ガリ版文化を歩く』以来の記録・証言。実用の印刷として、すでに過去のものにはなったが、コピーやプリンタに急速に置き換わるまで、着実に進歩と改良が重ねられていた。驚いたことに、ロウ引き原紙の元になる極薄の和紙は、手漉きによって需要を支えられていた。鉄筆の筆耕も大変だが、原紙が過酷な労働によって作られていたことを知っていた人は少数だっただろう。今話題の活版印刷以上に手作業によって育まれたメディアの役目は、果たして何によって受け継がれるのだろうか。
2019/05/20
西澤 隆
僕が小学校の時はまだガリ版があった頃。鉄筆で原稿を切っている先生を見ると油紙の上に白い乳液みたいなのが湧き出しているようで不思議だったなあ。謄写版ではなく輪転機。その隣には青焼きがあって今のPPCコピー機はまだなかったはず。小規模印刷は「発信」の現場。かつて小学校の謄写版をいろんなひとたちが借用したり、市民運動や「赤狩り」のことが語られたり、ガリ版のまわりの思いにかなり重きを置いた本書。最後に毛筆謄写版の発明者山内不二門の若き日の勤務地として「糸魚川」の文字を見たときは読書の「縁」の不思議さも思いました。
2019/06/11
takao
ふむ
2019/10/12
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