いま、子どもの本が売れる理由 (筑摩選書)
いま、子どもの本が売れる理由 (筑摩選書) / 感想・レビュー
くさてる
単純な印象論でなく、圧倒的なデータをもとに語り姿勢が、好感が持てたし説得力があった。何百万部と売れていても、本好きの自分でも、タイトルも知らない児童書がこんなにあったのかという新鮮な驚きもありました。大人が読ませたい本と子供が読みたい本の乖離なども、納得の論です。こどもが本を読むのは喜ばしいことなので、売れること自体はとても嬉しいことだなあ。
2023/09/03
よっち
1997年より続く出版不況の中、逆に売上を伸ばしている児童書市場。なぜ「子どもの本」は売れるのか。資料と取材から解き明かしてゆく一冊。長らく続く出版不況の中、なぜ児童書市場に可能性が見出され、出版社の新規参入が続いているのか。戦後の学校図書館や朝読を含めた国の政策による子供の読書環境の変化ら出版社の動向、その年代の雑誌や児童文庫の変遷から代表作を取りつつヒット作の背景までの全体像をきちんと俯瞰できる力作で、本書は子供目線での視点が不足して長らく疑問に感じていた児童書の今を解説してくれる興味深い一冊でした。
2020/08/30
おはなし会 芽ぶっく
児童書の通史も書かれている本。そういえば通史ってなかったなぁ(私が知らないだけかも?)。改めてそう古い歴史ではないのに、濃いと感じました。ヒットの背景として、なぜヨシタケシンスケさんの絵本が売れているのかというのが興味深かったです。「ゾロリばかり読んでいてその次の本を!」って声よく聞きます。その検証が面白かったです。
2021/03/20
ふじ
分厚さにくじけそうだったが読んで良かった。児童書界隈「良い本」の本は数あれど、「実際に子どもに支持されている本」に注目した本は少ないのでは。恐らく、その大概が大人には目の敵にされているからと思うけれど、支持される本はそれだけ今の子どもに向き合って作られていることが良くわかります。「本は楽しい」を伝えたい、きっとどの立場でも考えは一緒。古い児童書論で凝り固まっている人にこそ読んでほしい。
2021/05/12
はるき
子供だましという言葉がありますが、数字にシビアで厳しい世界でした。少子化だから売れないではなく、次々に仕掛けていく商魂にほれぼれ。
2022/07/10
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