宗教に関心がなければいけないのか (ちくま新書 1170)
宗教に関心がなければいけないのか (ちくま新書 1170) / 感想・レビュー
さよならキダ・タロー・寺
面白かった。以下雑感。私はかつて僧侶の知人がおり、親密であった頃は私も「仏縁がある」等と言われその気にもなり、仏教書をあれこれ読んだ。しかし近頃その僧侶ともめっきり疎遠になるに連れ、仏教にも余り感心しなくなってきた。呉智英と宮崎哲弥の対談本も、宮崎の話は訳が解らなかった(私が無知なだけだが)。島田裕巳『ブッダは実在しない』を読んで痛快になった。何の事はない、私の仏縁の正体は単なる人間関係であった。めきめきと宗教心が失せてきている私には、この本は頷く事しきりであった。ラスト近くの立川談志の言葉が好きだなぁ。
2016/02/11
harass
著者の宗教遍歴や文学の宗教についてのエッセイ。んまあ雑学のような細い知識を楽しめれば。日本の小説などでキリスト教の考えが当たり前のように受け入れられていることは確かにと感じる。日本人は潜在的にキリスト教徒でないかという指摘になるほどと。新書らしい軽く読める本。いくつか興味を持つ本を知ることができるのでよく読む作家だ。著者のファンであれば。
2016/02/29
keiトモニ
とある行者さんから宗旨替えを行うと好いことはないと言われ、まさにそう感じますが、著者からするとオカルトなんでしょうね。さて“贈収賄にしても清廉潔白で悪い政治をする政治家より、贈収賄してもいい政治をする政治家の方がいいのである。徳川時代の田沼意次…”そういや田中角栄も天才とか。まっ胆力なく清廉潔白でもないのにデフレ脱却の契機すら掴めず白川阿方明を推薦の政治家達はそれ以下。で久木尚志北九州市立大学教授ってどんな人だろう?反絆論と神道の逆襲を読んでみます。著者は共和主義者で当時はやはり平和主義者だったのですね。
2016/04/08
ichiro-k
結論はあとがき。本文では、著者の「自己愛」が強すぎる内容でウンザリ。
2016/05/25
禿童子
博覧強記の雑学オンパレードで、主題が何だったか忘れても十分面白い読み物になっている。基本、無宗教の著者の立場から「宗教にはまる人は集団主義」で、そうでない人は個人主義者という変哲もない議論に流れている。生きているうちが面白く、死ねばパアというのは平田篤胤の感覚に近いが、日本人の中には珍しくないので、いまさらの話である。主筋は大したことが無くて、傍論や小話などの雑談がうまいのは、小谷野さんの書きもの全般に言えること。自分と共通点が多いので、そうだ、そうだと快読してさっぱりと忘れてしまうのが問題。
2018/12/30
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