人類5000年史 IV ――1501年~1700年 (ちくま新書)
人類5000年史 IV ――1501年~1700年 (ちくま新書) / 感想・レビュー
coolflat
17頁。モンゴル高原からキプチャク大草原を経てハンガリー大平原に至る草原に居住する遊牧民は、チャルディラーンの戦い以降は、歴史の主役の座を降りて脇役に回る。オスマン朝に対抗するために、ハンガリーやポーランドも鉄砲で武装する事を余儀なくされた。これによって、ポーランドからハンガリーを経てオスマン朝に至る火気のカーテンが降ろされ(火気帝国の並立)、草原の遊牧民は欧州に入ってくる事ができなくなった。こうして、欧州は東方からの進入路が閉ざされた事によって、歴史上初めて欧州としての固有の地域的なまとまりが生まれた。
2022/09/01
Emkay
古今東西の中世国家の栄枯盛衰が細かく描かれていく中、ターニングポイントと大づかみなトレンドを押さえてくれるのがありがたい。特にこの200年の間、明とムガール朝等インドだけで全世界の半分以上のGDPを占め、オスマン朝、サファヴィー朝がそれに続いていたことや、「火器のカーテン」が防御となって「ヨーロッパ」が誕生したこと、さらに16世紀のルターやカルヴァン、17世紀のニュートンやロックの活動や思想により、個人主義、人間の理性に対する意識の高まりが起こり、来る資本主義に繋がった流れは興味深かった。
2022/12/11
れいまん
500年ずつ書き始めた本の4冊目。 このあと、著者は脳出血で長いリハビリに入っています。脳のリハビリ兼ねて、是非続刊を希望します。 いつもとても分かり易いです
2022/11/23
kumoi
歴史の授業は退屈だった。392年にキリスト教がローマ帝国の国教になったとか、1789年にフランス革命が起きたとか、正直どうでもいい。政治史だけが歴史の全てではない。ルイ14世も足利尊氏も現代に生きる私たちと同じ人間である。このことがリアルに感じられないと歴史の面白さなんて分かるはずがない。興味がある分野の起源を辿ってみる。そうするとルネサンスや第一次世界大戦の歴史的潮流の中で生まれたものだということがよく分かる。その時初めて、歴史を学ぶ意味が浮かび上がるのだと思う。
2022/07/19
ginkan2
どこもかしこも「戦」ばかりですね。ヨーロッパの王様たちの婚姻関係で、ある国が自分のものとなったり、失ったり、という当時のOSが不思議で興味深いですね。敵の敵は味方、という地政学の教科書みたいな時代でした。出口さん、次巻、次々巻、楽しみに待ってます。
2023/09/13
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