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イギリス恐怖小説傑作選 (ちくま文庫 い 56-1)

イギリス恐怖小説傑作選 (ちくま文庫 い 56-1)

イギリス恐怖小説傑作選 (ちくま文庫 い 56-1)

作家
南條竹則
ダンテ ゲイブリエル ロセッティ
出版社
筑摩書房
発売日
2005-11-01
ISBN
9784480420947
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イギリス恐怖小説傑作選 (ちくま文庫 い 56-1) / 感想・レビュー

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踊る猫

「恐怖」というより、強いて言えば「典雅」な趣きを感じる。この翻訳者の手掛けた仕事は初めて触れるのだが、流石にこなれた日本語となっており平明で読みやすい。悪く言えばそれだけ個性がないとも言えるのだけれど、私が他の「恐怖小説」を(例えば西崎憲のような訳者を通して)読めばこの印象も変わるのかもしれない。とまあ、腐すようなことを書いてしまったがもちろん駄本ではなく、プロフェッショナルな作家の仕事という手堅い印象を感じた。イギリスという古き良き時代からの伝統を持つ土地から生まれた「恐怖小説」を、もっと探索したく思う

2019/02/01

藤月はな(灯れ松明の火)

生きながら死に、死にながら生きているという感覚が生々しい「林檎の谷」、生き物の体内のような家の描写と助けなかった村人の言葉に心底、凍りつく「目隠し遊び」、新しい住人に怯える物静かで可愛い幽霊との交流が微笑ましい「小さな幽霊」、呪物と隠蔽の「蜂の巣箱」、導入がユーモラスなだけに最後にぞっとした「不案内な幽霊」、不気味な「ブリケット窪地」、顔と本性を見た男の状態が悲惨な「見た男」、人間の「悪意」との契約を破棄した驕った男の逃れられない末路「闇の桂冠」やっぱり、ブラックウッドのショートハウスシリーズは最高です。

2012/08/30

歩月るな

ここ数年ウェイクフィールド、ロセッティ、ブラックウッドと作品集が出ていたので「あれ?」と思ったら2005年刊行の訳者のアンソロジー第二弾でした。改めて感慨無量、このアンソロジーは既に一つの通過点だったのかもしれない。時期的には解説にもある様に創元の『怪奇礼賛』辺りから引き続き、『淑やかな悪夢』での鼎談にあったウォルポールの訳書も出ていたり別の所に面白味がある。ノースコートの『ブリケット窪地』が読めたのが良かったしシールの詰屈文体の見事な訳文やボウエンの技量などが味わえて、マッケンやウェルズも読める。最高。

2017/01/12

壱萬弐仟縁

H.G.ウェルズの「不案内な幽霊」(105頁~)。「人の性格というものは、肉体を離れても全然変わらないんだね」(111頁)。精神異常、幽体離脱とはどんなものかと。心霊写真とかどんなものか。来世から現世を見てくれるのなら、今の人間のやっている愚行はやがて、我々が見させられるか。エクス=プライヴェート・エクス「見た男」(215頁~)は、「世の中には、えてして人に好かれる感じの良い人間で、いつでも会いたいと思うが、いなくなっても誰も気にしない―そういう 消える才能(傍点) を持った男がいるものだ」(217頁)。

2013/03/10

y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)

『目隠し遊び』と『プリケット窪地』が好み。

2019/09/03

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