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ブラウン神父の知恵 (ちくま文庫 ち 12-4)

ブラウン神父の知恵 (ちくま文庫 ち 12-4)

ブラウン神父の知恵 (ちくま文庫 ち 12-4)

作家
G・K・チェスタトン
G.K. Chesterton
南條竹則
坂本あおい
出版社
筑摩書房
発売日
2016-01-07
ISBN
9784480432766
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ブラウン神父の知恵 (ちくま文庫 ち 12-4) / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

ブラウン神父は「ひと組の男女が結婚したがっているのに母親が許さない」と相談。犯罪学者に何でそんな男女の色恋沙汰を?と思うのだが、フッド博士は「最善の助言をする」と請け合う。するとブラウン神父は礼をいうが「ブラウンという小柄な聖職者は心から礼を言ったに違いないが、その礼は妙に簡単なものだった。喫煙室で見知らぬ人がマッチを取ってくれた時に礼を言うような態度であり、キュー植物園の園長が一緒に野に出て、四つ葉のクローバーを探してくれる(実際は、それに匹敵する好意だったのに)ことへの礼のようではなかった」何だそれ。

2016/06/07

歩月るな

ブラウンとフランボーの冒険、というか旅行というか、二人がいると面白い。銃弾が襲い来るのに肩車で逃げる間、フランボーに担がれながらにこにこしているブラウン神父、そこは旧訳の「童心」の意を感じる所である。この新訳はこの二作目が出るまで三年以上かかってるのか。まだ今年出たばかりの訳書なのに気付かなかった。パラドクスを用いるならば極彩色のモノクローム風景。何かの歌詞にでもありそうだが。時代的に何が面白いかと言えば、銃より、カトラスやレイピアが飛び交う所だろう。それでロミオとジュリエットを連想するとか有ったりする。

2016/07/09

阿部義彦

若い頃創元推理文庫で親しんだ「ブラウン神父シリーズ」がこの度新訳で甦りました。懐かしくもあり殆ど内容も忘れているのでこの度読み直して私の好みはホームズよりもコチラだと痛感。ブラウン神父はそもそも探偵ではない、常に通りすがりのある時は客人ある時は相談者として慎ましやかに登場して、決して前景化する事はなく、事件を解決して犯人を罰しようとする強力な動機もない。ひたすら自分で考えて謎を整理してそれを勿体ぶらずに差し出すだけである。それから先は関係者、当事者に委ねるのみで罪の裁きに関しては門外漢を貫く。そこが渋い。

2016/01/23

まさむね

ブラウン神父シリーズのちくま版新訳2冊目。新訳だからといって読みやすくなってるわけでもないのがブラウン神父らしいところだが、逆説や皮肉っぽい警句などは面白く感じることができた。この作品集では個人的にダントツの傑作「グラス氏の不在」(ラストの落ちまで見事に決まっている)があるが、「機械の誤り」「紫の鬘」「ペンドラゴン一族の滅亡」「銅鑼の神」など、ハイレベルな作品が集まっているのだと再認識できた。

2016/02/19

周到&執拗

新訳で再読。こなれた訳のせいか神父が普通の親父っぽいw。以下、各編寸評(次のIncredulityがベストなので、やや辛口です)。「グラス氏の不在」作者のせいではないのだが、日本人にとってはこの道具立てだと真相が見え見え。残念。「イルシュ博士の決闘」これもネタはすぐ察しがつくが、幕切れに至る演出がうまい(解説者には理解できまいが)。「通路の男」今昔物語?w のちに洗練されるアイデアの初出。「カエサルの首」ドイルかと思った。「ペンドラゴン一族の滅亡」傑作。神話の灯火トリックを見事に昇華。(コメントへ続く→)

2016/03/06

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