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海をあげる (単行本)

海をあげる (単行本)

海をあげる (単行本)

作家
上間陽子
出版社
筑摩書房
発売日
2020-10-29
ISBN
9784480815583
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「海をあげる (単行本)」のおすすめレビュー

「今月のプラチナ本」は、上間陽子『海をあげる』

『海をあげる』

●あらすじ● 「海が赤くにごった日から、私は言葉を失った」──大学で教鞭を執りながら、幼い娘と普天間に暮らす著者が綴る、沖縄の日常。性暴力や基地問題など理不尽な暴力におびやかされ、言葉に表せない苦しみを抱えて沈黙しつづける沖縄の人々の想いを、研究者として、そして母として、丁寧に聞きとり記録した初めてのエッセイ集。 うえま・ようこ●1972年、沖縄県生まれ。琉球大学教育学研究科教授。普天間基地の近くに住む。90年代から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わる。16年夏、うるま市の元海兵隊員・軍属による殺人事件をきっかけに沖縄の性暴力について書くことを決め、翌年『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(太田出版)を刊行。現在は若年出産女性の調査を続けている。共著に『地元を生きる 沖縄的共同性の社会学』(ナカニシヤ出版)など。

上間陽子筑摩書房 1600円(税別) 写真=首藤幹夫

編集部寸評  

言葉にならないものを言葉で伝える 本を好きなあなたは、日常的に言葉に触れているはずだ。言葉によっ…

2020/12/4

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海をあげる (単行本) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

2019年に「webちくま」に連載されていたエッセイを集めたもの。著者の上間陽子氏は琉球大学教授で、沖縄の未成年少年少女の支援と調査にあたってきた。本書は学術的な側面はなく、もっと個的な領域から発せられたエッセイである。日々、頭上をオスプレイをはじめ米軍機が飛び交う沖縄。辺野古の埋め立て。そうした状況下にある沖縄で子ども(幼稚園児)を育てながら(両親もいる)の実感的な(表現は柔らかいがほんとうは痛切な)沖縄の現実を語る。タイトルの「海をあげる」は、逆説的な表現であり「この沖縄の海(辺野古をはじめとした⇒

2024/01/18

starbro

「本屋大賞2021年ノンフィクション本大賞」ノミネート作という事で読みました(3/6)。上間 陽子、初読です。ノンフィクションというよりもエッセイに近い雰囲気でした。沖縄の各種社会問題の根の深さを感じました。 https://www.chikumashobo.co.jp/special/umiwoageru/

2021/11/07

trazom

琉球大学の教育学の教授で、非行少年少女の問題等に取り組んでおられる上間陽子さんが、家族(夫、祖父母、母、娘)、友人たち、性被害に苦しむ若い少女たちのことや、沖縄の基地のことなどを綴ったエッセイ集。文章の奥に潜むエネルギーのマグマが、読み手に迫ってくる。愛、共感、怒り…対象に対する著者の感情の量はとてつもなく大きく、その感情量に、涙腺が何度も刺激される。著者の沖縄に対する思いの深さが、その悲劇を放置し続ける政府や本土の無理解への怒りとして迸る。このエッセイの骨太さが、沖縄の人たちの心を象徴しているのだろう。

2022/01/26

R

貧困を扱った、インタビューやエッセーがごたまぜになった本。はっきりとした悪というものではなく、そういうものがあって、手の施しようがないように思えてしまう、負をまとった世界というか、生活に迫る内容。幼くして妊娠してしまうという事実があって、その周りに原因としておおよそ説明できてしまいそうな環境があるとわかっていても、どうしようもない営みがみえる。解決に向けて、そこに向き合うという仕事と葛藤、焦燥が伝わるが、いつからこうなったのか、前からあったことなのか、考えさせられた。

2022/09/12

けんとまん1007

いかに、事実が無いことにされようとしているのか・・・を、考えざるを得ない。何故・・・と思うことが、あまりに多い。と言うことは、自分自身の立ち位置にも関わること。絶望の先にあってほしい希望を見出したい。何が、できるのかを問われているように思う。

2022/06/08

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