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女たちの遠い夏

女たちの遠い夏

女たちの遠い夏

作家
カズオ・イシグロ
Kazuo Ishiguro
小野寺健
出版社
筑摩書房
発売日
1984-12-01
ISBN
9784480830722
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女たちの遠い夏 / 感想・レビュー

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グリーンクローバー☘

1984年に刊行された本。カズオ・イシグロさん初読み。とても読みやすくスラスラ読めて世界観も違和感なかった。日本で過ごした悦子の記憶。ゾクっとくるシーンもあるが、戦後の混乱期の女達の苦悩がまばらに点在されている感じ。日本にいても女は幸せにはならない。結婚を当たり前とされ、家と子供に縛られて自由がない…。だから節子もイギリスへ?佐知子はアメリカへ?未だにまだまだ日本は夫婦別姓も認められずおじさん社会だわ。

2017/10/30

花きちがい

赤ん坊を水に浸ける女と、猫を溺死させる佐知子。アメリカへ渡ろうとする佐知子と、イギリスへ移住した悦子。重複する女たちのイメージは、戦後を前向きに生きようとしながらも、幻滅を引きずったままの人々の姿を呼び起こして、痛々しい。万里子が猫を連れてっていいかと執拗に頼むのは、自身が生きる許可を母親に求めることであったかもしれない。現実と非現実、事実と虚構。これらの境を溶解させるのはカズオ・イシグロお得意の手法だが、この作品の場合それが根底を流れる不気味さをより一層生々しいものにしてもいる。

2010/09/02

takogon

丁寧で分かりやすい語り口なのに物語に入りにくくて、何とか理解したいと努力しつつ、読むのをやめてしまおうかと思うがやめられなくて、結局一気読みしてしまった。想像力を試されるような不思議な作品。

2019/02/28

go

この著者の本を読むのは日の名残り以来。印象が違った。日本を舞台にしたものとしての違和感が殆ど無かった。小津安二郎っぽいなと思ってたら影響受けてたらしい。5歳までしか日本にいなかったのにこういう作品が書けるとはやはり凄い作家だなと思った。他のも読もう

2014/02/18

がもう

ようやく読み終えました。一つ一つの事象がそれぞれにリンクする中で、生み出される空間に落ち着かない印象を持ちました。どこにも断定がなく、不安定。そこがまた戦後の希望の裏にあるものを引き立たせてわけもなく不気味な感じ。たんたんと描かれている日常のはずなんだけれど、なんだか普通じゃない感じ。うーんうまく言えない。初めて体験する感覚の本でした。ほかの作品も読んでみようと思います。

2011/02/12

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