KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

たまもの

たまもの

たまもの

作家
神蔵美子
出版社
筑摩書房
発売日
2002-04-01
ISBN
9784480876164
amazonで購入する

たまもの / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

井月 奎(いづき けい)

日記風のエッセイは赤裸々な内容もあってなかなかに強烈です。自らを第三者的に見つめて虚構(否定ではなく、創作家としての感嘆の意として)を加えることができると物語作家でなくとも上質の私小説ができるのだなあ、と驚かされました。面白く読んだのですが、自らを見つめすぎると自家中毒を起こすこともわかりました。彼女は何度も自家中毒を起こして苦しみます。それもまた創作家としての業、性ではあるので一概に気の毒ですね、とも言えません。自らを苦しめるほどの毒をもつからこそ人の足を止めて、目を奪う作品を創ることができるのです。

2018/09/15

gtn

二人の男性を同時に愛することに、もがき苦しむ著者。そこから学ぶことはおそらく何もない。だが、本能と恥を曝け出したことは評価に値する。

2022/09/10

nonpono

この三角関係は20代に「噂の真相」を読んで見聞きはしていたが、「自殺」という末井さんの本に、末井さんが愛を持ち呼ぶ「美子ちゃん」に興味を持った。わたしも昔の何気ないスナップ写真を見返したくなった。昔は現像代も安くないから何気ない写真なんて飲んでる写真になるのかな。自分のとろんとした目を見ると酔い具合を思い出す。興味深いドキュメンタリーな写真集でした。新宿、渋谷、90年代のラブホテルの室内の写真がいいな。欲を言えばあの人と眺めたかった。あの人なら、なんて言うだろうか。わたしの写真をチェキで撮ったあの人は。

2024/03/28

tom

写真と語り。これは見る値打ちがあると思いながら、見入ってしまった写真集。写真を撮る人が自分の想いを語るために写真を選び、文章を考え尽くす。その上で産まれた写真集。そんなことを考えながらペイジをめくった。なかなかの優れもの。語られるのは、二人の男と著者の関係性。ここまで開示するのかという驚きもあったのだけど、これは写真家の業というものか。登場人物もすごい。荒木経惟の異様なテンションに驚く。山口昌男まで登場して、あれまあと仰天。そして、見ながら読みながら連想したのが植本一子の写真集。写真は面白い。

2019/04/02

まど

再読。なぜか周期的に読みたくなる本。表紙で泣いている神蔵美子さんと前夫:坪内祐三さんと現夫:末井昭さんとの三角関係を写真と文章で赤裸々につづった作品。良質の恋愛小説を10冊まとめて読んだような読後感。私には縁のない恋愛だけど、追体験している気分に。興味のある方は「絶対毎日スエイ日記」と併せて読むのもおすすめです。

2010/06/27

感想・レビューをもっと見る