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失われたものたちの本

失われたものたちの本

失われたものたちの本

作家
ジョン・コナリー
田内志文
出版社
東京創元社
発売日
2015-09-30
ISBN
9784488010492
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失われたものたちの本 / 感想・レビュー

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keroppi

宮崎駿「君たちはどう生きるか」に影響を与えた本と知って読んだ。第二次世界大戦下、母を亡くし、父の再婚相手に馴染めず、母を探して、幻想の旅に出る。かなり、映画と近い設定だ。ただ、幻想世界は、かなり違う。こちらでは、タイトルの通り、様々な本の世界が展開していく。宮崎駿の世界は、映像によるイメージの飛躍で、より生と死を見つめているように思った。少年の成長を描くという意味でも類似していて、本を読んでいる間、宮崎駿の映像がちらついてしまった。

2023/09/10

Koichiro Minematsu

一言で言うのも難しいのですが、少年ディビットをとりまく世界(家族、時代)との関係を描いたヒーローズ・ジャーニー。主人公の空想世界は、見聞きした民話、グリム童話仕立てにしている筆者の描力はみごと。難解な部分やグロさの表現もあり、またファンタジーでもあり、アガサクリスティー+ルイス・キャロル+スティーブン・キング的な感じ。色んな読み方ができると思います。

2021/03/20

ゆかーん

ジブリ美術館の図書室で、宮崎駿さんがオススメしていた一冊。駿さんが推薦するのも納得のファンタジーでした!第二次大戦中に、庭に突っ込んできた爆撃機を避けようと、木のうろに入った少年デイビッド。木のうろを抜けると、そこは不思議な世界が広がっていました!アリスの世界ようなヘンテコ世界では、有名な童話が数多く登場します。白雪姫、眠り姫、ヘンゼルとグレーテル、赤ずきんやトロールなどなど、次はどんな人物が出てくるのかワクワクしちゃいます!ダークな部分が盛り込まれた、大人が楽しむファンタジーとしてオススメの一冊です!

2016/10/24

とろこ

本における「です、ます調」の文章が苦手なので、予想以上に時間がかかってしまった。また、読み始めは、主人公のデイヴィッドに好感を持てなかった。が、嫉妬と怒りに囚われた彼が異世界に迷い込んでからは、思わず応援していた。残酷でグロテスクな描写も多いが、現実の人生の暗喩なのだろう。心を閉ざしていた少年が大人の男に変わってゆくというベースは童話だが、決して優しい物語ではない。大人向けのダークファンタジー。それでも、ラストで彼が見た光景には、思わず涙腺が緩んだ。物語と人の繋がり。それは永遠のものだとも感じた。

2017/09/22

星落秋風五丈原

ねじくれ男が特定の条件を持つ子供を探している理由については理解できるが、なぜその代償として条件を呑んだ相手を王としなければならないのか。実権を握るのは自分なのだから、わざわざお飾りの王にする手間をかける理由がない。現実社会のものも、とある理由によって異世界に入りこんでしまうが、何でもOKというのは自分ばかりか世界を壊してしまいかねない危険がある。「利用するつもりだった人間が冒険の過程で反旗を翻して危機に陥る」というのであれば、予想外の危機である。しかし予測できる危機はなるべく排除するのが当然であろう。

2015/11/01

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