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とらすの子

とらすの子

とらすの子

作家
芦花公園
出版社
東京創元社
発売日
2022-07-29
ISBN
9784488028749
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「とらすの子」のおすすめレビュー

無差別殺人事件の背後にある謎の集団――潜入取材したライターは想像を絶する奈落に突き落とされ…予想を裏切るホラー小説

『とらすの子』(芦花公園/東京創元社)

 読後、時間が経っても作品が持つ禍々しさに心と頭が支配され、著者の他作品にも触れたくなる。『とらすの子』(芦花公園/東京創元社)はそんな魅力を持つ、作りこまれたホラー小説だ。

 著者は小説投稿サイト「カクヨム」で公開していたホラー小説「ほねがらみ―某所怪談レポート―」が話題となり、小説家デビュー。同作は『ほねがらみ』と改題し、2021年4月に幻冬舎より単行本が発刊された。

 2作目となる『異端の祝祭』(KADOKAWA)は、一気読み必至の民俗学カルトホラーとして注目を集めた。

 そんな話題の著者が世に送り出した今作は、「とらすの会」という怪しげな集団と、誰の心にもある「他人への憎悪」という感情を見事に絡ませた、重厚なカルトホラー小説だ。

オカルト雑誌のライターが暴く、「とらすの会」の正体とは?  小説家になる夢を諦めきれないまま、オカルト雑誌のライターとして働く坂本美羽。ある日、上司からの指示で都内で発生した無差別連続殺人事件を渋々調べることとなった。

 その中で目に留まったのが、事件の真相を知っているという意味深な…

2022/8/5

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とらすの子 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

そら

猟奇的で人間の仕業とは思えない連続殺人事件を追う女性ライター、友人がいじめに巻き込まれていく男子中学生、女性ライターを追う女性警察官。全く別の話が交互に展開していく。マレ様と呼ばれる美しい女性教祖の元へ、恨みを抱えて生きる人々が集まり願えば相手を殺してもらえる。オカルトチックなストーリーが男子中学生"まれひこ"とどう繋がっていくのか?予備知識なしで一気に読んで欲しい。ラスト1頁、この結末は後を引く。文句無しに面白かった!

2022/10/19

ゆのん

無差別連続殺人事件。被害者の人数も、遺体の状態も猟奇的で読み出しから不穏な空気を感じる。数ページ読んだだけでも人間ではない何かの関与を確信。人生を諦め切っているライター、美し過ぎる少年、刑事の3つのパートから徐々に真相が明らかになってくる。日常生活の中で人間関係程厄介で面倒なものは無いと思う。人間嫌いで1人の時間を愛する私であっても誰とも関わらずに生きていく事は出来ないわけで。思わぬ所で他人から悪意を向けられる事は誰しもあるだろうが『トラスの会』が実際にあったらと思うと怖い。

2022/08/26

さっちゃん

「とらすの会」で許せない奴の名前を告げるとマレ様が殺してくれる。それもとても人間の仕業とは思えないような残虐でおぞましい方法で。マレ様とは一体⋯。/物語は坂本美羽、川島希彦、白石瞳の三人の視点から語られるため飽きることなく一気に読まされる。佐々木事務所シリーズではないけれど、ポーリク青葉教会と思われる記載や物部一族の名が出てくる(あちら未読でも問題ナシ)。面白かったけれど佐々木事務所シリーズと似たパターンで差異があまり感じられないのがちょっと残念かな。でも今回も不気味で怖くて好き。

2022/08/29

うまる

おぉ、こりゃやめられん。寝不足必至です。3視点の絡み合いも、日本だけに留まらない内容も、とても巧いです。序盤から面白いけど、なんといっても、ダミ○ンのような成長日記に萌えまくりでした。周りの葛藤なんて、正にオー○ン!よくないものと神聖なものの間で揺れる、美羽パートの心理もすごく良かったです。闇の方に傾いてる人には、純粋に正々堂々戦う姿こそ暴力的だというのが、一理あるなぁと 凄く納得してしまいました。もうマレ様に洗脳されてるのか…。話の雰囲気に合っている妖艶なシーンも◎ 2ndシーズンもやってほしいわ~。

2022/12/01

あたびー

都内で勃発している連続殺人事件の情報を聞くため、ネットで見かけた少女に連絡をつけたライターの美羽。その話は聞けば聞くほど異常な物語だった。いじめやDV、様々な悪意に傷つけられた人々が集まり、殺したい相手の名前を吐き出すだけで相手が死んでくれるという「とらすの会」そして信じられないくらい美しいという「マレ様」。美羽と、中学生の希彦、警察官の白石と3人の視点を入れ替えながら「とらすの会」と「マレ様」の真実を暴き出す。わたしゃ最後まで信用しませんでしたよ!

2022/07/30

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