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ヴァンプドッグは叫ばない

ヴァンプドッグは叫ばない

ヴァンプドッグは叫ばない

作家
市川憂人
出版社
東京創元社
発売日
2023-08-31
ISBN
9784488028992
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ヴァンプドッグは叫ばない / 感想・レビュー

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W-G

短編集はまだ読んでおらず、前長編からかなり間が空いた。『ABC殺人事件』や『九尾の狐』を彷彿とさせる劇場型の事件に、『屍人荘の殺人』以降のジャンルミックスも盛り込んだ意欲作であり、エンターテイメント性は シリーズ屈指。惜しむらくは、推理のロジック面がかなり甘く、「~だろう」「~ではないか」という憶測決め打ち台詞がかなり目につく。襲撃犯パートの必要性が弱く、むしろ、あまりにも都合よく面子が揃って、勝手に真犯人に有利な行動をとっていくことが減点の対象にすらなる。ともあれ、今後も追っていくだろうことはたしか。

2023/09/13

麦ちゃんの下僕

「マリア&漣」シリーズ第5作。これはあらゆる意味で“凄まじい”作品ですね!◯◯◯◯を利用した壮大なトリックはミステリ史上のエポックメーキングと言っても過言ではありませんし、終盤の二転三転する怒涛の展開も特筆に値します!ただ、その“二転三転”を可能にしているのは◯◯◯◯が最後まで確定しないからなんですが、特殊設定ミステリにおいてはルール・前提条件が明確に示されることが必須であり、その意味でこの作品は大きな弱点を抱えているとも言えるでしょう。そのせいで“二転三転”のインパクトが思ったほど強くないのが残念です。

2024/02/14

しんたろー

マリア&漣シリーズ5弾は、現金輸送車襲撃事件と連続殺人犯脱走が重なって、全く先が読めないサスペンス。そこに、吸血鬼化する人間や相次ぐ密室殺人が盛り込まれ、ホラー+SF+本格ものと娯楽要素が満載で大サービスの内容。このシリーズは特殊設定が多い割に、不思議と現実感があるのが特徴だが「今回ばかりは無理がある?」と途中までは思ったが、終盤にキチンと解明され、伏線回収も納得。マリア&漣のコンビは健在だし、過去の登場人物たちも巧く絡んできてファンには嬉しい。最後の最後に次への期待を煽るような宿題を残しているのも憎い。

2023/11/22

stobe1904

【マリア&漣シリーズ第5弾】狂犬病に感染し、吸血鬼とされる連続殺人犯ヴァンプドッグが収容施設から逃亡し、マリアと漣はA州での捜索に駆り出され、更に現金輸送車強奪犯の逃亡も加わるが…。狂犬病ウイルスと吸血鬼の特殊設定と連続殺人事件の謎解きが本格ミステリとしての融合具合が素晴らしい。二転三転してラストに向かう大きなヒネリも見事に決まり、シリーズ最高の出来だと思う。このシリーズの新作が待ち遠しい。★★★★☆

2024/02/06

yukaring

20年以上前に捕まった殺人鬼「ヴァンプドック」が研究所から脱走、また時を同じくして起こる現金輸送車襲撃事件。そして厳戒態勢が敷かれたフェニックスで次々と起こる不可解な連続殺人。オカルト色も漂う展開に引き込まれる、シリーズの中でも最高に面白い1冊。緊迫感せまる街に助っ人として呼ばれたマリアと漣。しかし過去の「ヴァンプドック」と同じ手口の殺人事件が次々と起きてしまう。その頃、潜伏中の襲撃犯達の身にも同様な出来事が・・。不気味で不可解な事件に二転三転する大仕掛け、解き明かされる真相は驚きで目を見張るものだった。

2023/11/12

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