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秋の花 (創元推理文庫)

秋の花 (創元推理文庫)

秋の花 (創元推理文庫)

作家
北村薫
出版社
東京創元社
発売日
1997-02-16
ISBN
9784488413033
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秋の花 (創元推理文庫) / 感想・レビュー

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Tetchy

人の死は非常にショッキングな印象を与えるが、特に若い命が喪われると殊更に人の心に響く。更に誰もが経験したであろう高校生活。事件が起きた高校の描写は私を含めて読者をその時代へと引き戻してくれる。秋は夏に青く茂った葉が色褪せ、散り行く季節。そして木々たちは厳しい冬を迎える。しかしそんな秋にも咲く花はある。秋海棠はその1つ。秋海棠の花言葉を調べてみた。片想い、親切、丁寧、可憐な人、繊細、恋の悩みと色々並ぶ中、最後にこうあった。未熟。苦いけれど哀しいけれど、本書は高校生たちに贈るこれからの人生への餞の物語だ。

2018/11/14

Hideto-S@仮想本屋【おとなの絵本屋 月舟書房】

アカマンマにセイタカアワダチソウ、ススキ、ヨモギにチカラシバ、季節外れのタンポポも。秋の花に彩られたミステリー。懐かしい母校では秋の文化祭が中止になった。一人の少女が屋上から転落死したからだ。取り残されたもう一人の少女。二人はいつも一緒だった。一人が逝ってしまった夜も。小学生の頃から知っている彼女の憔悴を知り【私】は動き始める。真相を解く鍵は秋海棠に……。『空飛ぶ馬』に始まる【私】シリーズ3作目。古本屋巡りが趣味という【私】の目を通して綴られるフロベールや芥川などの小説のフレーズが物語に彩りを添えている。

2015/10/22

佐々陽太朗(K.Tsubota)

「小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度しかないことへの抗議からだ」とは作中、円紫師匠の言葉。そう、人生はただ一度しかない。そして人はただ一度しかない人生で天寿を全うできるとは限らない。神の悪意を感じるほどの悲運もあり得る。悪意のかけらもない人の行動が引き起こす過酷な運命。この世に神はいない。しかし人の心の中には菩薩が住む。そこに救いがある。円紫師匠は酸いも甘いも噛み分けた大人だ。難解な謎を解く明晰な頭脳だけでなく、人の心を思いやる優しさがある。このシリーズが再々の読み直しにも耐えうる所以である。

2012/04/20

ダイ

円紫さんその3。初の長編。ミステリ部分よりも日常部分がメインっぽい印象。オチが切ないがイイ。

2014/07/09

修一郎

本読みの人生を貫こうとする「私」の生き方は明快で,かつ一生懸命に生きている姿が好きだ。「私」と円紫さんが日常の謎を解決するシリーズ,正ちゃん江美ちゃんとの楽しい交流だったり,挿入される数々の本の蘊蓄だったりの楽しみはこれまで通りだけども,今回はずしんと重い思いが突きつけられる。大切な友人を失った高校生が負う人生としては重すぎる。円紫師匠の鮮やかすぎる推理と温かいまなざしが印象的だった。 津田真理子さんとは別の作品で会えるらしい。訪ねてみようと思う。

2017/12/09

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