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Slowdown 減速する素晴らしき世界

Slowdown 減速する素晴らしき世界

Slowdown 減速する素晴らしき世界

作家
ダニー・ドーリング
遠藤 真美
山口周
出版社
東洋経済新報社
発売日
2022-07-15
ISBN
9784492396667
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Slowdown 減速する素晴らしき世界 / 感想・レビュー

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よしたけ

出生率、身長、経済成長、技術進歩...世界では様々なものがスローダウン中。本書は「移送ポートレート」と呼ばれる特殊な形状のグラフを用い、各指標推移を参照しながら論理的に考察を進める。例えば、途上国では人口増が止まらない印象あるが、全世界出生率は1964年に5.0をピークに2.4を割込む水準に減速中。スローダウンで世界は均質化し、時間に追われなくなり、考える時間増える。環境問題に向き合ったり、大事な人と共有する時間が増える。スローダウン=成長停止というネガティブではなく、ポジティブな側面に気づかせてくれた。

2023/05/05

よっち

現代を生きる私たちを絡め取る迷信「あらゆるものが加速している。そして加速はとてもよいことである」著者は様々な統計データを用いながら世界のあらゆるものはむしろ減速していることを示す一冊。世界人口の増加ペース、経済成長を示すGDPといった指標、幾何学的に増加する情報、学生ローンや自動車ローンといった債務、例外的に破壊的加速を続ける気温、そしてスローダウン先進国日本。やや冗長に感じるところもありましたが、ひたすら事例を積み重ねることでこれから資本主義が向かうべき方向性を示唆していたのは興味深かったです。

2022/11/21

ta_chanko

20世紀初頭から急速に発展・拡大・増加してきた現代文明は、1960年代からその速度が遅くなり、人口・データ・債務・新技術など、ほぼ全ての分野で増加のペースがスローダウンしている。過去5世代の間に目まぐるしく世界は変わったが、これからの数世代は変化の少ない安定(停滞)した世界を生きることになる。世界人口は予想よりも早くピークに達し、21世紀半ばには減少に転じる。そのとき、世界で何が起きるのか。発展・拡大を前提としてきた現代文明が、間もなく新たな局面を迎える。どんな世界、価値観が生まれるのか楽しみ。

2022/09/15

Satoshi

BSドキュメンタリーでイギリスのおばあちゃんが経済はなぜ成長しなければならないか調査する番組を見たが、本書はエビデンスをもとに世界は減速していると論評している。そして、そのファーストケースが日本である。現状で価格が高騰している不動産や株式についても、投機が高騰の原因であり、減少する人口に応じて減速するとのこと。確かに、減速するというより飽和しているというイメージはある。ここ数十年で発明されたものは機械ではなくブランドであるは同意。個人で楽しむという意味ではスマホはポケットラジオのアップグレードしかない。

2022/08/17

あつお

静かな世界の訪れ。 本書は、加速し続ける世界において、加速しない世界とそれを良しとする心構えを紹介している。人類は経済発展と技術進歩を求め続けてきたが、それが本当に幸福度を高めているのか疑問である。振り子のように加速が止まり、経済も安定する時が来るとされている。創出されるデータ量が減少し、人口が安定し、大きな技術革新も停止する未来は、決して悪いことではない。人々はよりゆったりとした時間を過ごすことができるようになるだろう。スローダウンを受け入れ、本当に価値あることに時間を使うべきである。

2024/04/11

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