凪に溺れる (PHP文芸文庫)
凪に溺れる (PHP文芸文庫) / 感想・レビュー
よっち
一人の天才音楽青年が作った「凪に溺れる」。その曲と運命的な出会いを果たし、夢と理想、そして現実とのはざまで藻掻いた6人の人生を描く連作短編集。出会った人の心を揺さぶらずにはいられない十太の音楽。霧野十太と水泳少女の出会い、燻る高校時代に出会った少女、大学時代のバンド仲間、夢を思い出したフリーライター、彼の父を巡る過去。第三者視点ゆえに音楽に邁進し続けた十太の複雑な想いは想像することしかできないですけど、それでも彼が生み出した音楽は生き続けて、受け継がれてゆくことを予感させる結末がとても印象的な物語でした。
2023/05/09
なみ
『凪に溺れる』という曲がネットで拡散されるが、ボーカリストはすでに亡くなっていることが発表される。 霧野十太という人間の歴史を、彼に魅了された人々の視点から、繊細な文章で描いた青春小説。 三章の、十太から本音が漏れるシーンが印象に残ってます。 ここで初めて、霧野十太という人間のことを、ほんの少しだけ認識できた気がしました。 音楽によって、光莉や夏佳がつながっていく五章も素敵です。
2023/05/22
駒
歌の力。切ないけどカラッと爽やかな作品でした。若い作家さん。新たな才能が嬉しい。十太の歌、聴いてみたいなぁ〜!
2023/08/22
kotori
今までで1番心に突き刺さるものがあった。突き刺さりすぎて苦しい。ストーリーも流れも言葉も綺麗で、どんどん引き込まれていった。きっと何回も読み返すと思う。
2023/10/22
mariko
ところどころ突き刺さる場面があってホロリとした。夏佳の活躍を十太も知っていたんだろうなと思いたい。
2023/09/03
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