「これが現役高校生の書くものなのか」読者に衝撃を与え、心を揺さぶる青春小説『星に願いを、そして手を。』
『星に願いを、そして手を。』(青羽悠/集英社) 直木賞作家の村山由佳や荻原浩、朝井リョウらを輩出した「小説すばる新人賞」が見出した作家・青羽悠。史上最年少の高校2年生で大賞を受賞した要注目の新星だ。受賞作でありデビュー作となった『星に願いを、そして手を。』(集英社)は、2月の発売以来、「これが16歳!」「とにかく読め。万人が読むに値する一冊だ」(※)と多くの読者を惹きつけている。
主人公の一人は、宇宙研究をめざす高校生だった祐人。けっきょく文系大学に進学し、今は地元の公務員。夢とはかけ離れた日々を送っている。祐人と志を同じくしていた元彼女の理奈は、大学院で宇宙研究を続ける夢の途中。幼なじみの春樹は実家の家電店を継ぎ、薫は、かつて4人で集まっていた図書館の併設された、プラネタリウムを手伝っていた。高校卒業以来、顔をあわすことのなかった4人は、急逝したプラネタリウムの館長のお通夜で再会し、館長の遺した謎を紐解いていくうちに、失いかけていた“何か”をとりもどしていく。
瑞々しい感性で紡がれる言葉のきらめきはさることながら、まっすぐにつきつけられる“何者かに…