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間借り鮨まさよ

間借り鮨まさよ

間借り鮨まさよ

作家
原宏一
出版社
双葉社
発売日
2023-01-19
ISBN
9784575245950
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「間借り鮨まさよ」のおすすめレビュー

飲食店を間借りして鮨屋を営む女性職人。握るのは人々の迷いと悩みを解きほぐす江戸前鮨!

『間借り鮨まさよ』(原宏一/双葉社)

『ヤッさん』『佳代のキッチン』など、食をモチーフにした人情エンターテイメント小説を数多く発表してきた原宏一氏。その最新刊『間借り鮨まさよ』(双葉社)も美味しい“鮨”が物語のエッセンスになっている作品だ。本作はオムニバス形式になっていて「バスクの誓い」「能登栗の声」「四方田食堂」の3編を収録している。各話に共通して登場するのが、飲食店を間借りして江戸前鮨を出す雅代という中年女性。その職人としての“仕事”がさまざまな人に影響を与えていくことになる。

 1作目「バスクの誓い」の主人公、椋太は妻とふたりでスペイン料理店を営んでいる。椋太はスペインのバスク地方で料理修業しているときに一人旅をしていた佑衣と出会い、帰国後に結婚して本格バスク料理を売りにしたレストランテを東京・人形町にオープン。たちまち人気店となったものの、コロナウイルスの感染拡大で大衆価格のスペイン食堂への切り替えを決断することに。しかし、店の経営方針をめぐって佑衣と喧嘩が絶えず、いつしか家庭内別居状態になってしまい……。

 2作目「能登栗の声」では、急逝…

2023/1/25

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間借り鮨まさよ / 感想・レビュー

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machi☺︎︎゛

超一流の腕を持ちファンも多いのに店を持たず、間借りを専門とする鮨屋の店主、まさよ。まさよが間借りした店は何かしらの問題を抱えて崖っぷちの状態だった。そんな時にどこからかフラッとやって来て美味しい鮨を握る。時には突き放したり厳しい事もずばっと言う。だけど根底には人と食べ物を愛するまさよの愛情がたっぷりだからそうゆうのはちゃんと伝わるんだなと温かい気持ちになった。大好きな「佳代のキッチン」にも似ててとても良かった。

2023/03/20

アキ

「商売ってもんは自分が儲けることだけ考えてちゃダメだ。店も客も地元も取引先も産地も、みんなが幸せになってこその商売だ」人形町、金沢、富津市で間借りで鮨屋をしてきた雅代の父親の言葉。第一貫バスクの誓い、第ニ貫能登栗の声、第三貫四方田食堂、どの話も江戸の人情噺のよう。いつも雅代と彼女の握る鮨が潤滑油になっている。「仕事って日々悩み続けることだと思うのね」でも失敗してもいつでも変われる。「そういうのって期間や時間じゃないのよ。その人が何に気づけるか、それだけなの」まさに現代によみがえる江戸前の屋台鮨ですな。

2023/03/26

やも

間借り鮨を風来坊のように営むまさよさん。ちょっとマカンマランみたい。人の悩みに添えられる美味しい料理と、気づきをくれるさりげない寄り添い。袖触れ合うも他生の縁。なにも押し付けがましくないのに、心にずっと残るような、まさよさんの生き方指南。コロナ禍にあえぐ飲食店の試行錯誤もリアリティあり。舞台はバスク料理、老舗菓子店、老夫婦の食堂と読んでて飽きない。追い詰められてど根性パワーを出す話は大好き。美味しいを追求する話も大好き。狡い逃げ道から明るい道へハンドル切る話は、もっと好き。

2023/06/19

Karl Heintz Schneider

「店が空いている時間だけ間借りさせて。」突然、店に飛び込んできた小太りの中年女性に面食らう店主。その時間を利用して江戸前鮨を売りたいと言う・・。半信半疑で店を貸したら、とんでもない腕前で。一見どこにでもいる普通のおばちゃんなのだが、その腕前は本物で宣伝をしなくても遠くから馴染み客が食べにくる。一番の特徴はその人柄「店を拡げたいとか、大儲けしたいとか、そんな野心はないの。ただ、のほほんと笑いながら生きていければ、それでいいの。」そんな彼女の欲のない姿勢を目の当たりにして店の問題がいつの間にかなくなっている。

2023/03/16

ゆみねこ

軽トラでふらりと現れ、既存の店舗の空き時間に間借りで鮨店を営業する雅代さん。見た目はのほほんとして笑顔の普通のおばちゃんは、凄腕の鮨職人。間借り先の料理人やそこで出会った若者から悩みを相談され、鮮やかに解決へと導き、さっそうと次の間借り先へと…。面白くて美味しそうな1冊、これ、新しいシリーズですよね?まるでヤっさんの女性版😉 あぁ、鮨食べたい😋

2023/06/11

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