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跳べ、暁!

跳べ、暁!

跳べ、暁!

作家
藤岡陽子
出版社
ポプラ社
発売日
2020-07-08
ISBN
9784591167090
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「跳べ、暁!」のおすすめレビュー

14歳、それぞれの悩みを抱える少女たちが、バスケにぶつける熱い青春!『跳べ、暁!』

『跳べ、暁!』(藤岡陽子/ポプラ社)

 学生時代、夢中になったものがあるだろうか? 周囲に聞くと、予想以上にバラエティーに富んだ回答に驚く。社交ダンス、短歌、旅行にバンド。サッカーなどのスポーツに打ち込んだという話も多く聞く。『跳べ、暁!』(藤岡陽子/ポプラ社)の主人公・春野暁も、そんなふうに打ち込めるものがある少女だ。

 中学2年生の暁は、とある田舎町へ引っ越してきた。病気がちだった母が亡くなり、気落ちした父が会社を辞め、父の故郷に移り住むことになったのだ。

 暁は、7歳のときにクラブチームに入って以来、中学でもバスケ部に所属し、「暁からバスケットをとったらなにも残らない」と言われるくらいに熱中してきた。けれど、転校先の中学校に女子バスケ部はない。そもそも転校は、暁が望んだことではなかった。友達と別れることも、母との思い出が残るマンションを離れることも、嫌だと口にできなかっただけだ。自分が我慢すればいい、そう考えて父についてきたけれど、バスケができないことは耐えられない……。

 そんな思いを、クラスの中でただひとり転校初日に話しかけてくれた秀才・吉田欣…

2020/7/19

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跳べ、暁! / 感想・レビュー

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ウッディ

母を亡くし、郊外に引っ越し、父と二人で新生活を始めた中二の暁は、転校先の中学で仲良くなった欣子とともに、女子バスケ部を立ち上げる。中学受験の失敗、イジメ、外国人の不法滞在、パワハラなどそれぞれの事情を抱えたメンバーが、バスケに情熱を傾ける胸熱な成長物語。辛い経験をしたから、他人の痛みをわかってあげられる強さを持っている、そんな爽やかなスポーツ小説でした。地道な練習と団結で強くなっていくチームの戦いに手に汗を握りながらも、なにより彼女たちにバスケ部という居場所が見つかって本当に良かったと思った。

2020/11/07

のぶ

爽やかな読後感を持った小説だった。話は平川中学に14歳の春野暁が転校してくるところから始まる。バスケットに情熱を燃やしていたものの、転校先の平川中に女子バスケット部はない。打ち解けた友達数人で女子バスケット部を立ち上げる。申請はすぐに通り、活動を開始するが、他のメンバーは初心者でルールさえもよくわからない。加えてそれぞれの家庭の事情が立ちはだかる。内容はよくある学園ドラマだが、こんな成長物語は気持ちが良い。後半に用意された試合のシーンもスリル満点で面白い。久々に読んだ藤岡さんの作品だったがとても良かった。

2020/08/02

みかん🍊

母を亡くし中学2の中途半端な時期に転向してきた暁は小学生からやってたバスケ部はなくクラスにも馴染めなかったが欣子という親友を得て女子バスケット部を立ち上げる事になる、ガリガリのスポ根物の様だが、学校で朝から1日一緒に過ごしていてもそれぞれの家庭には違いがあって事情があり、まだ中学生は子供、親の都合に振り回わされても従うしかない、一人でも平気と思ってた強い彼女たちが仲間を得て絆を強め信頼し合いながら成長していく姿が描かれていて泣けました。

2020/10/16

ゆみねこ

藤岡さんが描いた青春スポーツ小説。親の都合で中2の5月に新しい学校へ転校した・春野暁が、スポーツは苦手だが学校一の秀才・欣子と女子バスケットボール部を立ち上げる。家庭に色んな問題を抱える中2女子たちの成長譚、YAジャンルの作品なのでサクサク読了出来ます。

2020/08/01

きむこ

藤岡さんの青春モノ。バスケット部のない中学に転校してきた暁が友達と一緒に女子バスケット部を立ち上げる。親の事情、受験失敗、皮肉にも辛い経験をした子供の方が、優しくて柔軟になっている。天才肌の友に嫉妬の感情が湧き上がる様子や、『今だけみんなでバスケをやる幸せ』ではなく『未来に続く幸せ』を考えている様はとてもリアルで青春モノ特有のハッピーエンドではないのが気に入った。世の中そんなにうまくいかない。うまくいかない現実もちゃんと受け入れ、受け入れることによって彼女らの器がまた一回り大きくなった気がした。★4

2020/09/05

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