おじいさんの旅
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おじいさんの旅 / 感想・レビュー
KAZOO
作者のアレン・セイという人は子供のころ、横浜に住んでいたようです。前に読んだ「かみしばい」の絵本も同じような外国の人が書いたのですが。これは親子三代にわたる話が描かれています。同じような感じでほんのりした気持ちにさせてくれます。日本とカリフォルニア州の行き来の様子が描かれて異文化交流の懸け橋の位置づけなのかもしれません(考えすぎかも)。表紙の絵もいですよね。
2016/01/18
鱒子
図書館本。裏表紙の金色の折り紙 「だましぶね」が象徴するもの、それは懐かしき愛する場所。僕のおじいさんの旅は異国へ向かった人々の旅になった。個人的な思い出が本になり、やがて幾多の人々の普遍的な想いに姿を変えて行く。そこにあるのはまさに郷愁。ーー絵本ではありますが、小学高学年〜大人向きです。
2019/01/22
♪みどりpiyopiyo♪
「旅」は、ぼくたちを異邦人にする…。■これは、日本からアメリカに渡った個人の物語ですが、他の多くの移住者の物語でもあり、私たち自身の物語でもあります。作者は、個人的な物語に多くの共感が寄せられたことに驚いて、実は無数のアメリカ人のエッセンスと重なっていることに気づいたとか。■アメリカ合衆国は多くの移民とその子孫で構成されている、と しみじみ感じられる一冊です。日本の移民史でもありますね。住んでしまうとそこへの思いも生じ、離れた場所への思いも生じ…。最後の一文がとても心に響きました。(1993年)(→続
2018/03/31
キジネコ
おじいさんのおじいさんの、そのまたおじいさん…や、おばあさんが私達には必ずいます。果てしない血脈の遡上の旅が太古の昔まで可能なのです。私達が今を生きて日々に様々な懊悩を抱えている様に、その一つ一つの節目、其々に人生がありドラマがあったと思うのは、すごく不思議で楽しい事です。人類の始祖がアフリカの一人の女性に辿り着く、という説があるとか… 先日、更に遡ったホモサピエンスの歴史の証、化石が見つかったとニュースは伝えています。私達はDNAを運ぶ船、向かうべき約束の場所はあるのだろうか?ふと絵本は考えさせました。
2017/06/06
ちえ
<「旅」は、ぼくたちを異邦人にする…ぼくたちは何処へ行ってもしっくりくることのない、よそ者になるということだ> 日本からアメリカに渡り様々な土地を旅した後カリフォルニアで家族を作り、その後日本へ戻ってきた祖父の一生を、横浜で生まれ16歳で家族とアメリカに移住した作者自身が人生を折り返す年代になって描いた絵本。画集のように美しい28枚の水彩画、移民の国アメリカでコルデコット賞を受賞。絵本と共に作者の後書きに私自身の今までを思い出し心を揺さぶられた。扉と裏表紙の金色のだまし船の折り紙に作者が重ねたものを思う。
2022/03/26
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