哲学的人間学 (放送大学教材)
哲学的人間学 (放送大学教材) / 感想・レビュー
暗頭明
人間の文化はこのように、進化の結果得られた自然的な、動物と連続する能力を背景とし、一つの自然状態として始まり、そしてやがてその自然状態に強烈に抗し、それからの力強い離脱として発展することになるのである。p.102
2015/05/21
ハンギ
意外と面白かった。哲学と科学を対等に見ようとする態度があり、そうした視点から改めて人間について見ようとする著作。基本的に左っぽい人だけど、ハイエクやロールズを重視していたのは印象的でした。哲学もカントよりもデカルトの記述が多く、わりと良いと思いましたが、近代については日本人の知識人にありがちな近代批判的な認識だったのが残念でした。デカルトの魂と身体の分離が、後のニュートンに引き継がれ、科学や近代が進歩した、という認識は僕にはそれで正しいかよくわかりませんが、一貫している説明方法だとは思いました。
2013/08/31
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