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三十光年の星たち (下)

三十光年の星たち (下)

三十光年の星たち (下)

作家
宮本輝
出版社
毎日新聞社
発売日
2011-03-12
ISBN
9784620107684
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三十光年の星たち (下) / 感想・レビュー

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どんぐり

金貸しの老人佐伯平蔵に見込まれた坪木青年が、自分の借金をチャラにするために借金の取り立てからスパゲッティの専門店を開店するまでの悪戦苦闘。読み終わってみれば、人生はいつだってやり直しがきくという人間賛歌。宮本輝が描くこのハートウォーミング溢れる物語には、けち臭い世の中にあってもっと若者に有形無形の支えとチャンスを与えよというメッセージも込められている。――「物」を見る目というのは、人間を見る目でもある。優れた「物」の価値を解せない人は、「他者」をも粗末にするようになっていく。これはいい言葉だね。

2015/12/08

美雀(みすず)

30年後って長くも感じるし、短くも感じる。その年月を悔いなく過ごす事は後でふり返る時にどうだったかと。30歳いやいくつを過ぎても遅くはない。これからの事を見て前に前に…。「にぎやかな天地」となんか重なるところがあるのかな?とっても温かなお話だと思いました。佐伯平蔵さんのような人、なかなかいないと思います。

2013/12/24

ケイ

主人公の成長は目を見張るものがあり、築かれる人間関係も素晴らしい。宮本氏の言いたいこともよく伝わってくる。しかし、出来すぎだろうと思ってしまい、後半は特に入り込めなかった。宮本さんの著作は初期のもの、中期のものを二作ずつしか読んでいないので比べられるものではないのだが、人間の業や運命、宿命の凄まじさが描かれているのが魅力的だと思うので、こちらは他の作家さんでも書ける気がする。とりあえず、錦市場に行って、ブーケガルニの材料を買いたくなった。

2014/01/07

とし

「三十光年の星たち」 下巻読み終えました。 下巻を読んで 佐伯さんの言葉や行動が、そしてタイトルの言葉も・・・「見えるものしか見えないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ」   佐伯さんの意図する所を理解し行動する仁志の姿良いですね~心に残る物語でした。人それぞれ、三十年ごとの節目と努力と結果と反省と又努力と行動かな。

2013/12/23

イプシロン

「何のために」生きるのか? という問いにおける根源的な答えへの導き手となる作品だろう。もちろん答えは一つではない。自分なりではなく、伝統を守ることで普遍性を培っていけるのだとか、自分の目利きよりさらに高い次元でもの見る目をもった人に譲ることで、相手に「喜び」を与えるのが商いの真髄だとか、親孝行こそ最善の恩返しだとか、様々な智恵が溢れていた。その根底にあるもの、善意、そして――。でも個人的に最も感動したのは師匠と弟子が本気でぶつかりあう稽古の場面だった。「真剣」ほど強いものはないと再確信できたことに感謝。

2017/02/05

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