トーマス・マン ショートセレクション 道化者 (世界ショートセレクション 19)
トーマス・マン ショートセレクション 道化者 (世界ショートセレクション 19) / 感想・レビュー
NAO
トーマス・マンの短編集。自伝的要素の強い「道化者」。作者も、作家として大成するまでは、「道化者」の主人公のような自虐的な心境になったこともあったのかもしれない。「堕ちる」も、自らの体験かもしれないという印象を受ける。遺産を手に入れ、自由になってすぐの作家自身も、こうした経験を何度か繰り返したのかもしれない。「神童」は、神童の心境、彼の演奏を聴いた聴衆たちの心境が、シニカルに描かれている。他に、「鉄道事故」「逸話」。どの話も、かなりシニカルだ。
2021/11/27
美東
トーマス・マンの小説は初めて読む。「ヴェニスに死す」をヴィスコンティ監督によって映画化(1971)されたのを観た程度である。あれはグスタフ・マーラーをあからさまにモデルにしていた。
2022/01/26
びぃごろ
名作を読み易く、ヨシタケシンスケのイラストを添えて!ノーベル文学賞を受賞した人なのね。そんなレベルで手に取るには、肩ひじ張ることなくいい塩梅でした。訳者の力もあるのでしょう。短編5本「神童」ピアノ小僧「道化者」これが幸せと臨んだ生活だったはずなのに、胸に潜む不安と焦燥ーそりゃそうでしょ、若いうちからご隠居生活で満たされるはずはないと思いますよ。「堕ちる」デビュー作!初恋に溺れる己の過去を小説風に語る。「鉄道事故」生々しい体験「逸話」これヤだね~仮面夫婦。
2022/01/25
おはなし会 芽ぶっく
世界ショートセレクション。以前5年生にシリーズの1部を紹介したので未読の本を読んでます。『 神童 / 道化者 / 堕ちる / 鉄道事故 / 逸話 』
2022/03/20
ムーミン2号
世界ショートセレクションの19巻目はノーベル文学賞作家のトーマス・マン。5つの短編が収められているが、いずれも作者の体験や見聞をもとにしたような作品であるようだ。しかし、内容は人にはあまり披露したくないような人間の陰の一面を照射しているもので、自分にもそういう面があるなぁ、なんて思うと、居心地がよろしくなくなる場合もある。それだけ優れているのだろうとも思う。有名な長編や中・短編は多くが未読なので、読んでみたくなるアンソロジーだった。
2021/10/17
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