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思いはいのり、言葉はつばさ

思いはいのり、言葉はつばさ

思いはいのり、言葉はつばさ

作家
まはら三桃
出版社
アリス館
発売日
2019-07-25
ISBN
9784752008965
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思いはいのり、言葉はつばさ / 感想・レビュー

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buchipanda3

言葉にのせて自分の思いを伝えることの嬉しさに溢れていた作品。昔、中国には女書という女性だけが使う文字があった。それは女性が学ぶことを制限された時代、自分の喜びや辛い気持ちを表現したい欲求から生まれたそうだ。チャオミンは田舎に住む幼い女の子でいつも朗らか。彼女は女書を知り、周りの大切な人へ心の奥から湧き上がってくるように好意の気持ちを表現する。その純真な姿に心が洗われ、そして懐かしい気持ちで一杯になった。彼女の母親が三朝書に添えた文章もとてもいい。言葉がもたらす効力と魅力を改めて感じさせる物語を楽しめた。

2019/09/12

chimako

女書 ニュウシュ 女性だけの文字。美しい、流れるような細長い菱形の文字。この文字が生まれた背景には働き手としてしか存在価値のなかった「嫁」たちの辛い歴史がある。苦しいこと、辛いこと、悲しいことを書くことによって昇華させた女性たちの魂が宿る。この物語の主人公、チャオミンはこの文字の虜になる。ある日、おかあさんはこう言った。「あなたはてん足をしてしまったけれど、その代わりに文字をしっかり学びなさい。文字があなたの足代わりだよ」と。文字はつばさ。心を自由にしてくれる。今女書は絶滅の危機に瀕しているらしい。

2019/09/30

ゆみねこ

今よりちょっと時代を遡った中国の奥地で漢民族と少数民族との間に生まれたチャオミン。読み書きを禁じられた女性たちの間に密かに伝えられた「女書」=ニュウシュを巡る素敵な1冊です。

2019/10/17

はる

まはら三桃さんは好きな作家。でも中国の時代物はちょっと苦手な分野…。読む前は不安でしたが、とても読みやすく、読後感もさわやかな作品でした。まはらさんらしく、主人公の少女の心の揺れも繊細に描かれていて感情移入しやすい。中国に実際にあった女性だけの文字がテーマ。手紙ってやっぱり素敵ですね。当時の女性たちの想いが詰まったこの文字に興味がわきます。

2019/08/19

ぶんこ

「女書」(ニュウシュ)という中国に実在した文字をモチーフにした物語。文字というよりは、流れるような儚げな模様に見える美しい文字。読むのは難しそうですが、とにかく美しい!こんな美しい文字が無くなってしまったなんて。漢族の父とハン族の母を持つチャオミン10才は、お裁縫は苦手ですが、ニュウシュと歌は得意。大らかなチャオミンを中心にした世界が活き活きと描かれていて楽しい読書でした。「辛いときは、書きましょう。苦しいときは、歌いましょう」。まさに、その通りですね。書くことで癒され、歌うことでのびやかになります。

2019/08/27

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