琉球警察 (ハルキ文庫 い 29-1)
琉球警察 (ハルキ文庫 い 29-1) / 感想・レビュー
hukkey (ゆっけ)
日本に返還される前の琉球政府時代、本土が復興を果たすための生贄となった沖縄の歴史。米軍の傍若無人な振る舞いと沖縄人の誇りの狭間で苦しむ人たちの息遣いがありありと感じられるような、史実を元にした公安警察の物語。USCARの指示で動く公安担当の東貞吉が、党員である少年の島袋令秀をスパイに仕立てて沖縄人民党の瀬長亀次郎をマークする中で、次第に彼の思想や活動に傾倒していく。奪われたものを取り戻すことが、どれほど困難で、どれほど価値あることなのか。職務として、沖縄人に虐げられた奄美人として、矛盾に向き合う姿が熱い。
2024/04/15
H
この作者はすごい。何と熱い話か。高名な瀬長亀次郎の話は多少は知っていたけど、奄美出身者が沖縄で差別されていたことは知らなかった。
2024/04/23
感想・レビューをもっと見る