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新装版 臨床心理学ノート

新装版 臨床心理学ノート

新装版 臨床心理学ノート

作家
河合隼雄
出版社
金剛出版
発売日
2017-08-08
ISBN
9784772415682
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新装版 臨床心理学ノート / 感想・レビュー

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morinokazedayori

★★★★★非常に濃厚な内容。臨床心理学とは何か、臨床心理士の在り方、臨床心理学の研究法など、豊富な知識と経験に裏付けられ、一文一文にそこはかとない重みを感じる。人を共感的に理解していく作業の、奥深さと醍醐味を感じた。

2018/02/11

roughfractus02

臨床の知が理論の知と異なるのは、動きが予想できる対象でなく日々変化する生きた相手に対峙している点だ。文化論を語るよりも対話や臨床例を語る方が著者の言葉に重みを感じるのは、一般化不能な特異な事例に面して試行錯誤した痕跡が、文字の背後にも垣間見えるからだろう。臨床の場面では、正論やアドバイスに効果はなく問題解決がクライエントの症状を悪化させる場合もある。本書は、カウンセラー自身の「見立て」の必要、相手を尊重する「聴く」と言葉の内容を「訊く」の違い等の最低限必要な実践知を、豊富な臨床経験から切り出すように記す。

2023/01/29

阪口まな

《現代科学》《宗教》それらに救えない者を救うための《新しい科学》を求める。それは《現代科学》や《宗教》のように規範や結論が決められていない、完全に個別のものであり《芸術》に近いものだという。それが《臨床》だ。■■したら□□となりました。なんてものは人間に適応されない。心理学者が己の心身を鍛えながらどれだけ厳しい場に身を置いているのかが窺えて胃が痛くなる。そうとうの覚悟と訓練を継続された著者だからこそ書き上げられた1冊。

2023/07/15

ハリー

クライエントの自主性にまかせるのは大切だが、その時に治療者自身も自主性をもつべきであり、そのような自主性をそなえた人間が、相手の自主性を尊重するからこそ意味がある。そうではなくて、ただ相手の意思のままに動くのであれば、それは単に受動的に行動しているだけで、相手を尊重しているとか、受容しているとは言い難いのである。

2021/05/30

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