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火夫

火夫

火夫

作家
フランツ・カフカ
出版社
ゴマブックス
発売日
2016-07-20
ISBN
9784777138760
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火夫 / 感想・レビュー

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livre_film2020

『城』を読む前に、三部作の一部ということで読了(もう一作は『審判』)。この作品が後の『アメリカ』という長編作品となるそう。お話に内容は何もない。問題が次々に起きては流れていくだけ。火夫が自分の言い分をつらつら並べているにも関わらず、暖簾に腕押しのような空気感がある。それで私の肌が粟立った。なぜなら、最近よく遭遇するからだ。日本語を話しているはずなのに全然通じない人たちと。まさしく、不条理だ。言葉はコミュニケーションのために発展してきたはずなのにそれができないなんて。これはカフカと私の関係でもあるのか?

2023/02/16

Narr

ある出来事がきっかけとなってドイツからアメリカへと渡る主人公カルルは下船の日にこれまたひょんなことからある火夫と知り合う。火夫曰く彼の能力に不釣り合いな処遇を受けていると知り、火夫とともに交渉に赴くカルル。火夫の要求は確かなものだが、当人の語りが要領を得ず。カルル&火夫VS会計士&船長&エキストラのバトルと思いきや…。急展開すぎて少し笑ってしまった。デウス・エクス・マキナ系統かな? 何も解決してないけど笑

2021/03/15

にしの

不条理というか、理不尽さを強く感じた。火夫は彼なりにちゃんと言葉を使っているのに、それが人から見て理論性とか説得性がないために人に通じないという。客観性、もしくは権力や権利がないとその人は確かに居て彼なりに言葉を発しているのに、言葉は言葉として機能しないし誰とも繋がれない。その残酷さにカルルは泣いた。大海原を漂う船の中にただ一人投げ出されたような理不尽さと孤独だ。矛盾、齟齬、軋轢。周りに認められない人間は無存在と同じだ。カルルがメイドに受け身なのも、女性や欲望の理不尽さ、意味不明さの表れだと思った。

2021/08/04

ニルルル

ある出来事をきっかけに、故郷と住まいを追われ新天地へ旅立つ事になった少年の心の繊細さ、そして彼本来の人間関係、組織への洞察力が中心になった作品、彼の将来への期待と、うまくいかない出来事との衝突が見えて、短い作品ながらミステリーチックな部分もあり、後味の悪さもあり、時代感もうかがえる。

2019/03/20

マキト

青空文庫での読書。法廷ドラマっぽい。そして問題を解決する事から話が遠ざかるのもいかにもカフカらしい展開だと感じた。

2019/04/10

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