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聖シュテファン寺院の鐘の音は (定本荒巻義雄メタSF全集 第 4巻)

聖シュテファン寺院の鐘の音は (定本荒巻義雄メタSF全集 第 4巻)

聖シュテファン寺院の鐘の音は (定本荒巻義雄メタSF全集 第 4巻)

作家
荒巻義雄
巽孝之
三浦 祐嗣
出版社
彩流社
発売日
2014-12-16
ISBN
9784779121029
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聖シュテファン寺院の鐘の音は (定本荒巻義雄メタSF全集 第 4巻) / 感想・レビュー

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スターライト

『白き日旅立てば不死』の続篇。荒巻独自の世界設定が秀逸。クレマンが小説内でいうほど悪の権化というわけではなく、その援助で国を支配するハムラーも奇癖の持ち主だが、とりわけ冷酷な支配者にも見えない。それは荒巻自身の持つ人間観の反映であり、簡単に善悪で二分できるほど単純な存在ではないということかも知れない。物語を読み進めば読み進むほど想起したのは、永井豪の『手天童子』だった。これは漫画だが、気のふれた母親が生み出した奇怪な世界を描いていて、人間の心的世界の物質化という点では、本作と酷似しているように思えた。

2015/03/24

渡邊利道

三部作二作目。『白き日〜』から十数年が経過し、白樹はソフィーを求めて〈異界〉に入り、その中世風の牧歌的市民社会を旅する。グノーシス思想や現象学的精神分析、或はラカンなどを参照しながら幻想世界を解釈することでまたみずからも幻想を構築することに棹さしながら一直線に進んでいくプロットで、前作がスキゾフレニックで本作はパラノイアの世界観を現しているらしい。また作品そのものがSF作家と精神科医によってメタフィクショナルにくるまれた構造になっていて、きちんとハッピーエンドでここで完結しているように思える。

2017/09/27

ぶうたん

『白き日旅立てば不死』の緊密でモノクロームな薄暮の世界に比べると、どことなくルーズで明るいカラーで語り直したような世界はしっくりこなかったが、読み終えた後は劣化では無く変化ではないかと感じられてきた。好みで言えば昔から何回か読み返している併録の原型中編がやはり一番だが、変化を続ける著者の世界として悪くはない。ただし新書を量産した時代以降のためか冗長な部分も散見され、良く言えば自由闊達なのだが、初期の作品とはかなり雰囲気は異なる。以上は皮相的な感想で、深読みすれば違うのかもしれないけれど。

2015/02/13

かやは

この作品が書かれたのが1987年。ニセコ要塞の1巻が86年。軍略小説、シミュレーション小説で荒巻作品に触れた者としては、文体や「世界」のとらえ方が似ているので、ちょっと懐かしさを感じてしましました。

2015/01/21

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