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快読『赤毛のアン』: こんな「アン」、見たことない! (フィギュール彩 15)

快読『赤毛のアン』: こんな「アン」、見たことない! (フィギュール彩 15)

快読『赤毛のアン』: こんな「アン」、見たことない! (フィギュール彩 15)

作家
菱田信彦
出版社
彩流社
発売日
2014-05-15
ISBN
9784779170157
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快読『赤毛のアン』: こんな「アン」、見たことない! (フィギュール彩 15) / 感想・レビュー

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★★★★☆ 「赤毛のアン」は村岡訳と掛川訳で全シリーズ複数回読んだし、松本訳も「赤毛のアン」だけは読んでいる。でも完訳じゃない村岡版が一番好きで、最初にこれを読んだからかなあと思っていたのだけれど、この本読んでわかった。英語の文章が後ろにあるとは思えないほど、ストーリーの流れも、文体もこなれているからだったんだな。村岡花子自身の創作物であるかのような。また村岡の言葉選びの優れたセンスもあった。ただ当時の読者に馴染みがあるというだけの訳語ではなく、品格のある美しい言葉を選んでいたと思う。

2022/07/11

くり坊

「快読『赤毛のアン』」は買い得でした。ひじょうに面白く読んだ。学者さんの書く小説評論や解説本は、大著でなくても読むのに骨の折れるものが多いけど、この小さな本はタイトル通り快読した。さっと読めるのに、濃密。社会背景や英文学を知る人だと、こんなことも読み取れるんだ、と教養人の読書の一端を楽しく追体験した。日本における『赤毛のアン』受容の特殊性についての記述も興味深かった。

2014/05/29

Yoko Kakutani 角谷洋子/K

再読してみて『赤毛のアン』研究本としては良書であることに気づきました。「アン・シリーズはマリラに始まり、マリラに終わる」など鋭い指摘が多いです。フェミニズム的批評としては、アンの立ち位置をジェンダー規範から少しずつずらすことによって、ジェンダー規範が崩壊していく様を描いたモンゴメリーの高度な戦略を分析していて、蒙を啓かれた思いです。しばし、フェミニストの批評家が『赤毛のアン』に対して、的外れな批判を向けがちなのは、そういうモンゴメリーの高度な仕掛けを読み解いていないからだとも思いました。

2018/10/05

必殺!パート仕事人

英語の原文から、登場人物の方言やステイタスまで分析されていてとても興味深い。確かに日本人にはイギリスの階級社会は分かりにくいだろう。花岡、松本各氏の訳文の違いで訳者の目指すところを読み取ったり、これぞ”研究”だ。花岡氏が”訳さなかった”箇所が複数あることから、機械的に訳すのではなく、日本の『赤毛のアン』を創造したのではないかと。実際「akage no anne」という対象があるそうだ。

2022/10/11

ぽっぽママ

アン以上にマリラを理解することが大切なのだと知りました。正しい翻訳ということの難しさも感じました。文章を正しく訳すことだけが翻訳ではないと、読者にどう伝えるか、一時期超訳がはやりましたが村岡花子の訳もそれに近いものだったのだと思います。今ほど海外の知識がない時代大変だったと思います。キルトがさしこですもの。

2014/07/18

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