詩的自叙伝: 行為としての詩学 (詩の森文庫 C 8)
詩的自叙伝: 行為としての詩学 (詩の森文庫 C 8) / 感想・レビュー
鮎
ありとあらゆるジャンルに手を出しながらも「詩人」という肩書きを好んだ寺山の考える「詩とは」をまとめた一冊。時代背景(学生運動)や用語(注釈つけて…)については常の不親切だが、副題にもあるように、詩とは印刷された文字ではなく行為として「なる」ものだ、ということが繰り返し力説されている。つまり「書を捨てよ、町へ出よう」ね。寺山にとっては演劇も映画も評論も小説も、全て「行為としての詩」なのだ。印刷されたものは詩の形骸でしかない。現代詩への憤りは強いがそこに諦めはなく、全体に意欲的で刺激的でとても面白い。
2013/03/08
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