河原荒草
河原荒草 / 感想・レビュー
Roy
★★★★★ 第36回高見順賞 とても好きだ。このような連作詩集という形態の話は初めて読んだ。江國香織の「神様のボート」を彷彿したが、あちらが静かな狂気の物語であるなら、こちらは生々しくそして荒々しい狂気の物語だ。荒涼とした景色が脳内に焼きつき、どうしようもない不安に襲われる。
2008/12/09
Quijada
小説的に言ってしまえばマジックリアリズム。これで済まして良い訳はないが過剰な描写が面白い。
2012/04/10
くさてる
圧倒される現代詩。紡がれる言葉は、抽象的で比喩の正体を正確に追うことは不可能に近いはずなのに、たまらなく生々しく迫ってくるのは、使用されている語句のせいだけではない。それが構成する世界のせいだ。ばらばらになった言葉が繋がり、呪文のように世界を作り上げたかと思った瞬間に、またくだける。音読しながら読んでみたら、頭がくらくらした。
2012/02/20
ジマ
課題で読んだ。無しじゃない
2014/01/22
岡部淳太郎
よくも悪くも伊藤比呂美の世界だと思う。というのは、詩に親しんでいる読者が伊藤比呂美という名前から即座に連想するような作風のものが展開されていて、その意味では予想を裏切らない。また、このどう転んでも伊藤比呂美でしかない作風が、ある者には親しく感じられある者には暑苦しく感じられる。どの書き手でもある程度はそうなのだろうが、彼女の場合はそれが女性特有の身体的なものに根ざしているだけになおさらそうなりやすいと思う。ちなみに、装丁が非常にユニークです。
2005/12/22
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