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独りごとのように

独りごとのように

独りごとのように

作家
スザンナ・タマーロ
Susanna Tamaro
泉典子
出版社
草思社
発売日
1996-04-01
ISBN
9784794206947
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独りごとのように / 感想・レビュー

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あも

【しーぴんさん課題本】すごい。すっっごいなこれ!全然読まれてないのが勿体ない。20p弱の1話目。それ読めば凄さが分かる。児童虐待がメインの短編集なので押し付ける事はしないけれど勇気が出たら読んでほしいと強く思う。目の前に悲と惨を背負った子供がいる。目を覆いたくなる程なのに、彼らはその凄絶な状況に疑問を覚えない。だって、それしか知らないから。でも、こうした話で強く感じる筈の憤りや哀れみはなぜか薄い。例えば自分が幽霊になってただ傍らで見ているような。何もできない諦念と純粋で混じりけの無い深い悲しみだけが残る。

2018/04/08

mio217

5つの話からなる短編集。叙情的に繊細な語りで綴られて一見穏やかなのに、飛ばして読みたくなるくらいにそれは生々しく残酷な繊細さでも表現されている。日本人作家にない感性で綴られ、心臓の裏側をなぞるような刺激的な短編集だ。親から虐待を受けて狂気にはしる子ども、行きずりの男に弄ばれるジプシーの子、ホロコーストの子供。愛が欲しくても、歴史的背景は決してその事を許さず。自力で抗う事もできず。子供にとってはその暮らしが普通で、そこに愛があると信じている事がとても哀しい。でも、愛を見つけられなかった大人も時代の犠牲者。

2018/04/30

*maru*

軽やかで可愛らしい語り口に騙されてはいけない。虐待される子供たち。心が壊れてしまった者。最初で最後の手紙。独りごとのように語る老女。『また月曜日』『ラブ』と2話目まで読んで一旦本を閉じる。あまりにも精神的ダメージが大きかった為に。それでも挫折せずに読みきれたのは著者の語りが魅力的だったから。語りに惹き込まれたから。魅惑のハードパンチャー。読者にとっては1番厄介なタイプかもしれないが、強烈なパンチを食らうだけの価値はある作品だった。きっと、楽しい読書にはならないだろう。でも、多くの方に読んでもらいたい。

2018/09/10

まいぽん

読み終えての思いを文字にするのが難しい。書き出しが美しくて胸が躍ったけれど、だんだんと絶望的な気持ちになっていく。辛いー。でも読まなければいけない本だということはわかる。「どうして不幸がある限られた場所に集まり、そこだけを、いつもそこだけをねらうのか。」その不幸をただ受け止めるしかない登場人物たち。理不尽すぎる運命への諦観。余韻があっても救いがない。でも、最後の表題作「独りごとのように」の中の最後の1文に、この作品の中で唯一の救いがあった。老婆に語らせたこの1文に、著者もきっと救われたのだろうな。

2019/05/06

sea&pink(しーぴん)

【平成の本棚・H.9】20年ほど前に読了。トラウマ本の一つ。理不尽に虐げられた者たちが語る5編の短編集。淡々と語られるのに内容はあまりにも悲痛。愛されたい愛したいという無垢な心を踏みにじられた少年の行き着くところ…「少年」は当時、酒鬼薔薇による神戸の事件が起きた最中だったので加害少年の心境はかくやと思わせた。産んだばかりの子を奪われ抜け殻のように生きてきた女性の「雪に埋もれて」は、こんな悲しい話はない。ラストの一言が胸を詰まらせる。

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