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清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

清少納言を求めて、フィンランドから京都へ

作家
ミア・カンキマキ
末延弘子
出版社
草思社
発売日
2021-07-30
ISBN
9784794225283
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清少納言を求めて、フィンランドから京都へ / 感想・レビュー

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やいっち

遠い現代のフィンランド(ヘルシンキ)からアラフォー女性が「枕草子」そして書き手の「セイ」の魅力に目覚め、京都へ。驚くのはフィンランド政府や企業の文化的助成の分厚さ。彼女は日本語が喋れない読めないのに、平安朝の「セイ」や「枕草子」を知ろうと悪戦苦闘する。その日記調ドキュメントタッチの書きぶりが面白い。あの平安朝に何故表立って文筆を含めた言論が出来たのか、その不思議は今の日本人にももっと興味を持っていいのでは。セックスを含めた赤裸々な語り口や活動ぶりが本書の人気の一端なのかな。 楽しみました。

2021/10/22

アキ

38歳で仕事を辞め、京都に住む。清少納言をセイと呼び、語りかけながら、京都の街にセイの面影を追い求める。ノルマンディーでこの本を書き上げた。著者もセイと同様京都での日々を書き連ねていた。そんな日々の記録に所々枕草子からの「清少納言のことば」を引用し、著者も感じるままにリストを挙げる。清少納言の直接の原本はもちろん見つけることはできなかったが、1000年前の同時代を生きた道長の日記は目にすることが出来た。著者の目を通して、日本の歴史、現代まで残されたもの、文学を、新鮮な気持ちで改めて知ることができました。

2021/09/25

ばう

★★★★ まず初めに。ミア本当にありがとう。日本人でさえ詳しく知らないセイの事をこんなに愛してくれて、セイに会うためにはるばる日本にまで来てその足跡を辿ってくれて。彼女は日本文学の学者でも何でもなく編集者として働く、ただただ清少納言の事が好きで好きでたまらないという女性。彼女が凄いところは専門家の門を叩き、そこで研究するという方法では無く、ただ自分の足だけでセイの事が分かりそうな所へ行き(ロンドンにまで!)、見て読んで感じた事だけでここまで調べ上げたところ。495ページという中々な分量ですがオススメです。

2021/11/28

pohcho

枕草子と清少納言をこよなく愛するアラフォー独身のフィンランド人女性が、清少納言をめぐる旅をしたエッセイ。言葉もわからないのに、いきなり京都の安宿で、二度にわたっての長期滞在(途中で東日本の震災も起こる)。図書館や博物館、寺社や庭をめぐり、能や歌舞伎を見て、枕草子にちなんでいろんなものリストを作ったり、和歌に挑戦したり、最後にはなんと十二単体験まで!所謂研究者ではないので、自らの心の赴くままに、ただひたすらにセイ(清少納言のこと)を思い、心の中でセイに語りかけながら、旅をされていたのが印象的だった。

2022/02/01

よこたん

“セイ、あなたは守護道化師だったのよ。命を賭けて書き、弾丸を受けるために中宮定子の前に身を投げる守護道化師。定子の守護者、それがあなただった。だから、あなたは本を書いた。” 本の分厚さに怯み、何度もギブアップしそうになったけれど、終盤のこの言葉に救われた。セイ=清少納言と『枕草子』の魅力に取りつかれたフィンランド女性が綴る長い長いラブレターというべきか。セイを追いかけて来た日本での様々な体験、京の酷暑や震災による原発事故の影響など、今も昔も心に影を落とす出来事はあり続ける。翻訳が大変だっただろうなあ。

2022/01/22

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