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まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの)

まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの)

まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの)

作家
イタロ・カルヴィーノ
Italo Calvino
河島英昭
出版社
晶文社
発売日
1997-08-01
ISBN
9784794912435
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まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの) / 感想・レビュー

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mocha

大砲に吹っ飛ばされて右半身だけになってしまった子爵。故郷へ帰った彼は、極悪非道なふるまいで恐れられるが、ある日左半身も帰郷を果たし…。悪徳と美徳に引き裂かれた子爵と、振り回される村人達にさまざまな寓意が読み取れる。児童文学の体ながら、戦場の遺体や癩病の娼婦などの描写はかなりエグい。戦争の影が濃い時代、情操や倫理なんて頓着しなかったんだろうな。少々読み難い文章は『百年の孤独』を思い出させる。なかなか興味深い本だった。

2017/07/04

tototousenn

☆4.75 戦争によって、身体がまっぷたつになってしまった子爵のお話。 右半分は善人で、左半分が悪人に。 人には二面性があり「善」とは「悪」とはどういうことなのかを問いかける寓話。 ※古い時代の作品のため作品の一部で特定の疾患に対する偏見がみられます。

2021/02/11

NAO

砲弾を受け真っ二つに引き裂かれた子爵の半身が別々に行動することで巻き起こる騒動の数々。完全なる悪はもちろん良くない存在とされるが、完全なる善も人々の迷惑となるという皮肉は、いろいろと考えさせられる。絞首台を作らされた大工の親方の矛盾した二つの感情も、なかなか嗜虐的。

2017/11/26

竹園和明

戦争の砲弾で身体が左右真っ二つに吹っ飛んでしまった子爵メダルド。“悪半”の右半分に遅れて“善半”の左半分が村に帰って来る。“悪半”は軽犯罪者にでさえ絞首刑の判決を下し民を震え上がらせる。“善半”はモラルの押売りで人々に疎まれる。宗教や病によって差別が生じても、人はコミュニティを形成しその世界に生きている。悪も困るが善だけでも困る。いずれか一方だけでは世界は成立しないのだ。清い水には魚は棲めない。“清濁併せ吞む”という懐の広さ・深さ。潔癖な方向に流れている現代へのアンチテーゼとして、広く読まれるべき名作。

2021/02/27

UK

表紙絵と本の造りは一見子供向けだけど、内容は示唆に富む寓話。人に内在する善と悪。誰しもが両面を持つからこそ、それぞれ単独では人の世では扱えぬ半端なものになる。悪はともかくも、善が文字通り独善となって煙たがられるのが笑える。結構あっさり人を殺しているからね、寓話なればこそなんだろうけど、善悪の対比が強烈で、ほんの数ページ挿入された挿絵が長く印象に残る。

2017/06/30

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