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偶然の装丁家 (就職しないで生きるには21)

偶然の装丁家 (就職しないで生きるには21)

偶然の装丁家 (就職しないで生きるには21)

作家
矢萩多聞
出版社
晶文社
発売日
2014-05-02
ISBN
9784794968487
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偶然の装丁家 (就職しないで生きるには21) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

偶然の積み重ねによって、装丁家になった矢萩さんの生き方を描いた本。不登校だった学生時代、インドでの体験、本を作る経験など、どの章も内容が豊かだった。矢萩さんの絵や装丁した本の写真もあり、独特の感性を感じる。個性が自分の中ではなく、それを感じる他者の中にあると言う矢萩さんの哲学が非常に新鮮。物を作ることは自分だけの作業ではないのだ。本が人と人をつなぐと言う想いはこの間読んだ『あしたから出版社』の島田さんとも共通しており、こういった人たちがいる限り、日本の出版界の未来は暗くない。

2014/12/07

どんぐり

矢萩多聞さんは、ミシマ社のウェブマガジンのデザインも手掛けた本の「装丁家」である。彼が特異なのは、中学1年で学校に行くのをやめて、好きな絵を描きながら15歳からインドと日本を半年ごとに往復し、20歳を過ぎてから本づくりの仕事をしているということだ。彼の装丁による本で、中島岳志の『インドの時代』を読んだことがある。ギョロリとした目の女性が印象深い装丁だ。この本には「就職しないで生きるには」という方法は何も書いていないけれど、自分の居場所がたまたま就職しないでも生きられる仕事につながったということである。

2015/03/14

kinkin

矢萩多聞さんは装丁家。絵の好きな彼は不登校、ひきこもり、そしてインドへ渡り生活し日本に戻り装丁の仕事を始める。この本には装丁がどういう仕事でどういう流れで本が出来上がるのかということ。就職しないで生きるにはというサブタイトルがついているがむしろ多くの人は「就職してもいきるには」を知りたがっているのではないかと書いている。死んだ友人に話しかけていた言葉、平凡でいい、特別な何かになろうとしなくていい、個性的に生きずに才能など存在せず、あるとしたら人の出会いと運だけそれがこの本の中に流れている。お薦めの一冊

2014/05/26

pirokichi

これ迄500冊以上を手がけた装丁家・矢萩多聞さんの自叙伝的本。以前読んだ『晴れたら空に骨まいて』(川内有緒)で矢萩ファミリーに魅了されていたので、学校のこと、学校をやめ中2からインドで暮らしはじめたこと、子ども時代から好きだった絵を描くこと、本をつくる仕事のこと、そして現在の日本での暮らしのこと等、とても興味深く、面白かった。インドで町の地図づくりに夢中になった話は凄く好きだなあ。与えられた場所、人との出会いの中で身の丈にあった居場所をみつけること。著者の言う「ほがらかなコミュニケーション」って、いいね!

2021/10/18

チェアー

一見、多聞さんは個性的。中学1年で学校に行くのをやめてインドに行き、絵を描き、本を装丁するようになった。それは彼にとってはごく自然なことで、無理に個性を作り出した訳ではない。偶然の人の出会いやタイミングなどがあって実現したものだ。むしろ、感じるのは人の縁に恵まれているということ。苦しい時や悩んでいるときに助けてくれたり、教えてくれたりするひとが常に現れる。それは彼がひとを大切にしているからなのだろう。ひとを大切にすれば、ひとから助けられる。だから、彼が装丁家になったこともきっと必然だったのだろう。

2019/02/03

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