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吉本隆明全集20: 1983-1986 (第20巻)

吉本隆明全集20: 1983-1986 (第20巻)

吉本隆明全集20: 1983-1986 (第20巻)

作家
吉本隆明
出版社
晶文社
発売日
2019-09-12
ISBN
9784794971203
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吉本隆明全集20: 1983-1986 (第20巻) / 感想・レビュー

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ザフー

図書館本。返却期限日に拾い読み思わず延長貸出してしまった。RCサクセションの「つ・き・あ・い・た・い」とスターリンの「MONEY」に詩の反語(イロニー)を突き合わせ、ビートたけしの話芸の変節に目を移す「大衆文化論」で皮切る本の、かしこの頁にある引っかかりに自分の内の吉本と80年代を再認。フーコーやシオランの短文、要約の滋養を得る。「状況への発言」の語り斬り文体は珍しい。付録冊子、中島岳志の親鸞の「和讃」「非詩人」を重ねる吉本像も良かった。初めて全集を手に取ったが文の初出など巻末見なきゃいけなくて不便。

2022/12/15

 

俺は、吉本に古臭いものとして嘲笑されていた「アジア」その深部、或いは革命を信じた黒田喜夫や、吉本がアンアンでコムデギャルソンを身に纏ってグラビアを掲載したことに対して「朝鮮戦争とベトナム戦争の血の上に『火事場泥棒』」の上での戦後資本主義に対する無自覚さに対して批判した埴谷雄高の方が好きだし、絶対的に正しいと思う。まあ、吉本(とその後継者たち)のこの居直りが可能だったのは、日本のアジアにおける地位の優位だったが、その優位が失墜/相対化された時、目も当てられない惨状だろう。現にそうなりつつある。

2023/11/19

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